炎症とは



  炎症の兆候は、@発熱A腫脹B疼痛C発赤D組織・器官の機能低下
があげられます。
身体に様々な「炎症」が起こると、私たちはたいへん苦しむことになります。
その苦痛から一刻も早く解放されたいと思うのは「人情」です。
故に、「炎症」が生命を守るための「対応」だと考える人は、まずもってい
ないのが現状です。どうしても悪い反応、対応ととってしまうのは無理も
ありません。
  しかし、「炎症」はどうして起こるのかという根拠と機序をはっきりと認識
していないと、正しい処置は出来ないのです。これを誤ると、自分の命を
縮めていく結果になっていきます。
 身体が必要のために起こしている正への対応としての「炎症」を、無理
に取り除こうとすると、一時的に苦痛からは解放できても、また次々と炎
症を発生させていきます。それは根拠と秩序を断ち切っているわけでは
ないからです。
 よい例をあげれば「膝の水腫」があります。わかりやすく言えば、膝に水
がたまって痛みと、歩行困難になる病気です。これは膝にたまった水を抜
いてしまうと、らくにはなるのですが、また次々と同じことが起こってきます。
膝に水がたまるのは、火傷して「水ぶくれ」ができるのと同じ原理で、膝内
に炎症が発生しているからそれを冷ますために、必要だからこそ「水」をよ
んでいるわけです。炎症が鎮まれば、水は速やかに吸収されて元に戻っ
ていくのです。
 例えれば、消防車の働きと同じです。火事が発生して、消火できていな
いのに消防車が帰ってしまっては、また火は燃え上がってしまいます。
 つまり膝の水腫は、生体が炎症を鎮めるために「水」を集めているので
す。その水を抜いてしまっては、生体はまた「水」をよぶという繰り返しに
なるということです。膝に水がたまるのは、けっして悪いことではないので
す。炎症を鎮めるのに必要な対応です。
 こんなあたりまえなものの見方が今日見落とされています。これでは病
の本質を見誤るのは当然なことです。


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