アポトーシス化にスイッチが入れば、“自然消滅”の過程をたどるのでは
ないかと考えられます。
がん細胞が正常細胞に復するのではなく、修復に時間とエネルギーをか
けるよりもアポトーシス化させて破棄処理し、正常細胞を新生させる方法
を生命体はとるであろうと推測されます。
 命を守る、生き抜くべく「生へのプログラム」がされた生命体は、無駄や
無理はしないはずです。極めて合理的、合目的に機能すると考えるべき
でしょう。
 以上あげた方法が、がんの対処法として“天然態”な取り組みといえる
のです。しかし、再度忘れてはならないのは、がんが消滅すれば、健康
体に復したと考えるのは早計です。あくまでも非常対応手段の最終対応
の姿が回避されたに過ぎません。
 前四段階の非常対応は必ずしも好転しているわけではありません。これ
を怠れば最終対応としてのがんの発生はいつでも再発の可能性をもって
いるのです。発生の機序と負の生命力の発現というがんの本質を十分に
理解することが対処法として最も肝要なことなのです。

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