(三) どう対処すべきか



 非常対応手段の四段階を経て、最終対応の第五段階として発生したがん
は、がん組織だけが病巣ではありません。これは当然個体全体の生命力の
低下、免疫機構に破綻を生じた結果として人体に発生したものです。
“負の生命力”を発現させて、命の灯をつなぎとめてくれている間に、最大限
の修復・整備のための努力をしなければなりません。それはがん組織以外
の正常細胞の新陳代謝のリズムを正常に働かせることが、すべてのもとに
なります。まず欠乏している生命力を補給する方法を行うことが肝要です。
 日本伝承医学の提唱する「命の物理」に基づいた大気、大地電気を吸着
させ体内の電気レベルをあげることです。骨に電気を発生させ、エネルギー
物質(体内ミネラル)の貯蔵庫であります骨の隠された機能を発現させなけ
ればなりません。(命の物理の項参照・詳細は次項)また最もふさわしい食
物をとり、睡眠、運動、呼吸という生きるためにかかせない要素をまず改善
する必要性もあります。


 がんの発生の根拠と機序を正しく認識し、これによって精神状態も整えて
いくことがたいせつです。衰えた正常細胞を活性化させ、がん細胞が「がん」
をつくる必要のない「場づくり」を整備することが急務です。
わかりやすくいえば、がんによってときをかせいでいる間に、正常細胞が
正常な働きを取り戻せば、生命は救われます。この機を逸すればがんによ
って命を失う結果になる可能性があるのです。
 一面的なサプリメント(栄養補助食品)に頼ったり、特効薬探しに終始する
ような次元の発想では個体全体の生命力や免疫力を高めることはできま
せん。
 正常細胞を正常に働かせるには、もっと全面的なアプローチを必要としま
す。特にがんをねたみ、恐れ“敵”として征服しようと考える思考や精神では、
心の脱力が達成されず、肉体の緊張は、持続したままになります。そのた
めには、どうしてもがん発生の根拠と機序を正しく知り、がんを敵として征圧
しようという思考を改めなければならないのです。“捉われの心”を作っては
なりません。
 個体の正常細胞が正常な働きを取り戻せば、それは、全体としての生命
力を高め、免疫力を高めることにつながります。そして「場づくり」が整えば、
がん細胞をアポトーシス化に持ち込むことも十分に可能です。
 免疫細胞とがん細胞のバランス関係は“オセロゲーム”に例えられそう
です。取り囲んだものは、反転して自分の味方になるのと同様です。
けっして闘うわけではないのです。自主的に反転していくのです。

次のページへ