日本伝承医学では、子宮内膜症を風邪のときの扁桃炎と
同様の機序で子宮内の粘膜にできる炎症という形でとらえ
られています。
 扁桃部(のど)という場所は、口、鼻という外孔部の“関
所”として風邪等のウイルスと闘う免疫の最前線の個所に
なります。この場所の粘膜は、人体の免疫機構の重要拠点
であり、免疫力の高い所になります。人体に害を及ぼす細
菌、ウイルスを撃退し、体内に侵入させないための最初の
関所となります。この扁桃部に機能低下が起こった場合、
関所の役割を果たせず、生命を危険にさらすことになりま
す。そのために扁桃粘膜部の機能を早く回復の機序に戻そ
うとして、炎症を発生させるのです。故に扁桃炎とは高熱
を出して機能回復を図っている姿なのです。
 この機序と同じ作用を子宮内膜症(炎)は担っていると考
えられます。子宮という場所は、生物として子孫を残し、
新しい命を育む重要な所になります。故に女性の生殖器、
膣や子宮は雑菌や有害な物質を殺菌し、排除する能力の高
い場所といえます。つまり免疫力の高い場所になります。
子宮内膜症をとらえ直す

次のページへ