日本伝承医学のとらえる生命観・疾病観は、個体を早く
死なせるために病気や症状を作るのではなく、生物として
命を守り、生きる対応として何かをもとに戻す、正への対
応として症状を生じさせてると考えています。
 生物としての人体は、体内を一定の温度(36、5度)に保
つことですべての生理機能を維持しています。体温より高
い熱に対しては、きわめて弱い体質をもっています。故に
“熱をいかにすてるか”が生きる上で重要な命題となって
きます。
そのために体内に異常発生した熱を何段階もの対応システ
ムの中ですてるように設計されています。日本伝承医学で
は、この熱をすてるシステムを五段階に分類して非常対応
手段と考えています。

(1) 皮膚病としての対応(アトピー性皮膚炎等)
(2) 体表にできるおでき(腫瘍)としての対応
(3) 体内に水腫を形成する対応(水頭症、肺水腫、腹水等)
(4) 体内に腫瘍を作り直接、熱と毒素をすてる対応
(5) 組織をがん化することで最終的な対応
以上の五段階のシステムからすれば子宮筋腫は第4段階目
の命を守ってくれている対応の姿となります。



子宮筋腫をとらえ直す

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