パーキンソン病/パーキンソン症候群

 脳の中枢部である脳幹(のうかん)は、間脳、中脳、橋(きょう)、延髄から構成
されています。黒褐色のメラニンを含む黒質と呼ばれる神経細胞群は中脳にあり、
この神経細胞が少なくなるとドーパミンが減少し、運動障害が起こりパーキンソン
病を発症させていきます。
※脳幹(のうかん)は、意識・呼吸・循環・心拍・体温調整等の基本的生命維持に
深く関わる重要な働きをしている場所になります。感覚神経、運動神経の通り道
でもあり、中脳で感覚や運動をコントロールし、橋で運動に関する情報を大脳から
小脳に伝えていきます。延髄では呼吸、心拍等心臓の働きを調整し、間脳では
大脳へ感覚を伝え、内臓や血管の働きを調整しています。
 脳の神経細胞(ニューロン)は数千億あると言われ、互いが電気信号を発する
ことでニューロンネットワークを築いて情報伝達をしています。脳内に炎症が
起こると脳幹部にも熱がこもり正常に働かなくなり神経細胞の情報伝達に支障を
きたしていきます。脳内の炎症はストレスを受け肝臓に炎症が起こり(胆のうの
腫れ)、血液の循環・配分・質に乱れが生じることで発症します。脳に充分な
血液がまわらなくなるので(脳の虚血)、脳が養われなくなります。
 パーキンソン病は脳の炎症が背景にあり発症していく病状です。血液の質の
改善を図るために家庭療法としての頭部と肝蔵の局所冷却法を毎日実践し肝臓の
充血と脳の炎症を除去していくことが必須です。
 ≪参考文献≫有本政治:著「パーキンソン病とパーキンソン症候群の本質

【改善するためには】

 パーキンソンを発症する方の多くは水をあまり飲んでいないため、血液がどろ
どろになり血液の質が低下しています。脳へきれいな血液を充分に廻らせるため
には一日1.52リットル位の水の摂取が必要です。また震えや小刻み歩行、反射
障害等を良くない事と思い、止めようとします。これは大きな認識違いになります。
脳への血流を確保するために起こしている対応なので、意識して細かく動いたり
震わせたり、ジャンプをしたり、小刻みに足踏みをしたりし、体を動かすように
していきます。
 神経可塑性(かそせい)は、遮断された神経網を新たな回路でつなげていく、
本来人間に備わっている自己治癒力になります。日本伝承医学はこの神経可塑性
を促すことができる治療技術になります。今起きている症状を悪い事と思うと
脳は事象(症状)をそのようにインプットしていきます。自身の身に起きている
病状は命をつなぐ正への対応の姿であり、病状の根拠と機序を正しく認識し共存
共生していく姿勢が大事です。