日本伝承医学と漢方医学との関連性

[骨を生命活動の中心とした日本伝承医学]


 日本伝承医学は、骨の医学といわれています。骨を人体の単なる
“支柱”としての作用ではなく、生命のしくみとしての「物質・エネ
ルギー・情報」の三態の貯蔵庫としてとらえています。
骨は、人体中最大最速の伝達系であり、全身をくまなくネットワーク
しています。単に骨伝導として作用するだけでなく、電気の通り道で
あり、電気の発生場所であり、充電場所でもあります。そして、大気
中、大地よりの電波のアンテナとしての作用も有しています。
 骨が生命のしくみとしての「物質・エネルギー・情報」の貯蔵庫と
いわれる理由は、生命維持のための「物質」として最重要なカルシウ
ムを貯蔵し、「エネルギー」としての電気を発電・充電し、「情報」と
しての造血幹細胞を有しているからです。骨に電気が充分に流れるこ
とで、体内のカルシウム濃度をコントロールし、骨髄の中にある造血
幹細胞を活性化していきます。造血幹細胞は、すべての細胞の母体と
なるもので、遺伝子を発現、再生します。赤血球の新生を活発にし、
免疫力の源である白血球の産出をも担っています。まさに造血幹細胞
は情報の源となっているのです。
 骨は、このように生命活動の中心を担う「物質・エネルギー・情報」
の貯蔵庫であり、日本伝承医学は、この骨のもつ機能を発現させるこ
とで、病気を治すことを目的とした医学になります。


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