[命の物理ー人体は電気で動いている]


 人体は“電気仕掛けのロボット”といわれるように、電気をエネル
ギーとして動いています。心臓が死ぬまで休みなく動き続けることが
できるのも電気が流れているからです。筋肉を動かしているのも電気
です。人体のすべての組織、器官は電気が流れることで働くことがで
きるのです。
 また細胞ひとつひとつも、細胞の内と外に電位差があり、電気が流
れることで生きていかれます。つまり、人体中には、ある一定の電気
レベルを保っていかなければ、生命は維持できないということになり
ます。そのためには、常に電気を体内で発生させ、また外界からも補
充、充電していかなくてはなりません。
 私たちの命は大気中から、大地から電気を補充して生きているので
あり、これが“命の物理”となります。漢方医学では、これを天の気、
地の気という表現であらわし、人の命というものは、天の気、地の気
を受けて成立していると考えています。これを「天・人・地」三才の
関係とよんでいます。
 日本伝承医学の「命の物理」と漢方医学における「天・人・地」三
才の関係は、基本的な生命観は同根であり、どちらも共通性をもって
いますが、日本伝承医学では「電気」としてとらえ、漢方医学ではこ
れを「気」という概念で表現しています。

次のページへ

もどる