現代人に脳梗塞が多発しています。特に男性に多く見ら
れ、中年男性以上の方はまさに戦々恐々といった感が見受
けられます。MRIという画像診断の発達がこれまで見えな
かった脳の内部を映し出すことによりこの診断名増加に拍
車をかけたことは事実です。見えないものがみえるように
なるということは進歩と思えますが、私はむしろ知らない
ほうがよかったと考えています。MRIの画像を見せられる
ことでそれが脳裏に焼きつき、ますます不安感をつのらせ、
精神的ストレスを助長させているケースが臨床上多く見ら
れるからです。画像という視覚に訴えるイメージは消しが
たく、脳の血管がつまることは“悪いこと”という一方的
なとらえかたはぬぐいされないものがあります。
 日本伝承医学の主張する病気や症状は、正への対応とい
う考え方への転換を大きくはばんでいます。何度も繰り返
しになりますが、命存続の原則は一日も早く死に至らしめ
ようと症状や病気を発生させているわけではありません。


めまいと脳梗塞の関係について

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