くも膜のう胞(嚢胞)(2)

 人間の脳はくも膜という薄い膜に包まれています。このくも膜が袋状に
なって脳脊髄液が貯留している状態を、くも膜のう胞といいます。先天的
良性疾患なので脳腫瘍ではありません。くも膜のう胞は
無症状ですが、
のう胞による圧迫のため頭痛が起きる時もあります。
 

後頭蓋窩にのう胞がある場合は、下を向いたときに、後ろから押されるよ
うな圧迫されるような頭痛が起きます。圧迫されて刺激が入ることによって、
脳内の血流が変わり、脳内に血液を速やかに回そうとする対応をとってい
きます。頭痛がひどいときは、首を下に折る姿勢、下を向く姿勢をできる
だけとらないように過ごしていきます。

気圧の変動があるときは、脳の圧力がかわるので、のう胞が脳を圧迫する
ようになります。低気圧がくると頭痛が起きやすくなる原理と同じです。
体が敏感になっている場合は低気圧の
23日前から頭痛が起きることがあ
ります。頭痛は、痛みを起こしてその部位を拍動させ、脳への血流を促し
ているので、薬等で止めないようにします。頭痛の時は横たわり後頭部を
氷枕で冷やし、首筋やひたい、首の後ろをアイスバッグで冷却します。

短パンや半ズボン、スカートをはいていて、ふくらはぎが冷えてしまうと、
足の筋肉ポンプが低下し、心臓に負担をかけてしまいます。心臓のポンプ
機能が低下してしまうと、脳への血流が悪くなり、脳が虚血になり頭痛を
起こしやすくさせます。

昔から「頭寒足熱」(ずかんそくねつ)と言われるように、頭は冷やして、
足先やふくらはぎは温めるように言われてきました。ふくらはぎは「第二
の心臓」とも言われ、心臓に血液を戻さなければならない大事な部位にな
ります。ここが冷えてしまうと、筋肉の熱を産出する働きがうまくできな
くなり、筋肉ポンプ機能が下がるので血液を心臓まで上げる働きが弱まり、
血液をうまく回すことができなくなってしまいます。秋から冬にかけての
季節の変わりは特に気をつけていきます。短パンから長ズボンに切り替え、
ズボンの下にはスパッツやズボン下をはいてふくらはぎを冷やさないよう
にして過ごします。就寝時には湯タンポを用いてふくらはぎを温めるよう
にします。
 

のう胞は、内部の炎症や熱をしずめるために水袋を体内に作って冷却する
対応になります。先天的な要因がありますが、ストレスによって発症する
場合もあるので、できるだけストレスを持続させないように気もちを切り
替えていくことが大事です。家庭療法として氷枕やアイスバッグで局所冷
却を行なうことによって、のう胞は小さくなっていきます。体はのう胞を
作らなくてもよくなるからです。
 


※のう胞は脳内の他にも、身体に炎症をおびている臓器や部位に発症します。
いずれも良性のものになるので心配いりません。日本伝承医学の施術で、脳内
の熱を除去し、肝臓の充血をとり去り、家庭では日本伝承医学で推奨している
局所冷却法を実践していけば、体はのう胞を作らなくても良くなっていきます。

《肝のう胞》(肝臓のう胞)

肝臓の中に液体がたまった袋ができます。人は生まれつきのう胞をもって
いる場合が多いのですがストレスで肝臓が充血して炎症を持つと、のう胞
を作りやすくなります。体は炎症をしずめるために天然に冷やそうとする
からです。やけどの時に水ぶくれがができる原理と同じです。

《腎のう胞》(腎臓のう胞)

腎臓にできる球状の液体の袋を言います。腎臓が機能低下し熱を帯びると
のう胞という水袋を作り熱を除去していきます。水の摂取が不足すると、腎
臓は機能低下していくので、一日1・5~2リットル位、お水を飲む習慣を
つけていきます。

《喉のう胞》

のどぼとけの上あたりに丸い小さい固まりができます。首の正中部にでき
るのう胞を正中頸のう胞と言います。

これは甲状腺機能を守るために、水袋を作り冷やして炎症をしずめていく
対応になります。

《すいのう胞》(すい臓のう胞) 

すい臓にできる液体の袋をいいます。すい臓に炎症が起きると水袋を作り、
冷やしていきます。
  


※日本伝承医学の施術内容、家庭療法としての局所冷却法は、公式ホームページ
の各項に詳細が載っていますので御覧下さい。

                       くも膜のう胞(1)