このように漢方理論や日本伝承医学の「体液循環配分説」
を応用すれば、更年期障害の多種多様な症状もシンプルに
解説解決できます。月経異常、不正出血といった婦人科の
問題も「体液循環配分説」と漢方理論によって見事に解明
できるのです。
尿道炎、膀胱炎、骨祖しょう症、耳鳴り、立ちくらみ等
も漢方理論の中では、いずれも“腎虚”という概念で統一
的に解釈できます。尿失禁に関しても腎虚をベースにした
脾虚という捉え方で、漢方的には何の問題もなく解決でき
るものであります。
また更年期障害で、心の問題に属するものとして、不眠、
記憶力・判断力の低下、恐怖感、憂欝感、神経質、疲労感、
脱力感、無気力といった“脳”に関わる問題があります。
脳とはいえこれも同じ“身の内”の問題になります。体液
の循環配分があって初めて機能するものであり、脳内の体
液の循環配分はその機能の根本的な問題であります。
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