しかし、この皮膚の汗腺を開く機能が低下していると、
熱を放出したくても、思うように放出できません。それが
たまりにたまって、関を切ったように急に体が熱くなって
一気に発汗を起こすのが、この急な発汗になります。そし
て発汗が終われば、余分な体熱を放出しないようにこの汗
腺が閉じなければなりません。しかし呼吸器系統(肺・皮
膚呼吸も含む)が弱い人は皮膚機能が低下しているため、
この汗腺を閉じることができず、そのために必要な体熱を
奪われることになるのです。これにより身体は急に“寒気”
を感じてしまいます。寒気を感じ身体をブルブル震わせる
事で、この汗腺を閉じようとするのです。内熱がたまりに
たまって、急に発熱・発汗しそして次に寒気がくるという、
周期的な現象を呈することになるのです。
 この周期は人によって様々で、熱のピークが週に一度来
る人もあり、三日に一度、あるいは一日おき、あるいは数
時間毎といった周期的な出方を取るのです。故に「往来寒
熱」という呼称がぴったりと当てはまります。しかしこれ
は、何も更年期障害に限ったことではなく、肝臓と肺の絡
んだ病理現象のひとつなのです。

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