次に更年期障害の特徴的症状である、急な“発汗”及び
その後に起こる“寒気”を体液の循環・配分説で考察して
みましょう。これは前述した春の気候上の特徴である“三
寒四温”という現れ方と大変類似した現象で、周期的に暑
さと寒さが交互に現れる更年期障害の代表的な症状です。
漢方医学では“往来寒熱”と呼び、寒さと熱さが往来する、
交互にやってくるという意味です。
 漢方的には遺伝的に呼吸器(肺機能)が弱いタイプの人
で、ストレスに起因した肝機能低下(肝臓に軽い炎症)を
合せ持った場合に、この「往来寒熱」の症状を呈してくる
と説明しています。つまり肝臓の内熱(体温計に出ない、
内部の炎症状態)を冷ますために“発汗”という冷却装置
を働かせて、この肝臓の熱を取ろうとする人体の防御反応
なのです。

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