日本伝承医学の考える人体観・生理観は、人体を「皮膚
と皮袋に水を充満させ、その中に内臓も骨も脳も浮かんで
いる存在」としてとらえていますその体液がたえず循環し、
必要なところへ必要な量が配分されて、質がある一定の濃
度や性質を保っていることが、すべての身体各部の生理機
能を円滑に営ませていると考えています。
事実この体液が不足するとさまざまな、生理失調をおこ
してきます。例えば鼻の中や口、のどが渇くことが風邪の
初期症状にあります。つまり粘体液の一部である、口を潤
している粘液が不足すると粘膜の抵抗力・免疫力が低下し、
炎症をおこしてきます。(皮膚が乾くのも同じ理由です)。
逆に花粉症は、目・鼻の粘膜に宿った花粉を異物として
洗い流すために、多量の体液を出します。くしゃみ・鼻水・
涙という反応です。このように体液の循環と配分がすべて
の生理機能を司っているのです、更年期障害の症状の中の
鼻・口かわき、皮膚の枯燥はこれにあてはまります。