“更年期”とは、卵巣機能の低下が始まってから、完全に
その機能がなくなる「閉経」を中心とした前後10年位の期
間をいいます(年齢は45〜55歳位です)。この期間は、女性
のライフサイクルの“成熟期”から“熟年期”に移る過渡
期にあたります。この時期に起こる女性の身体の様々な失
調を総称して一般に更年期障害と呼んでいます。
 現代医学的には、更年期の卵巣機能の低下によるホルモ
ンのバランスの崩れから、身体や心に起こる様々な障害の
ことをいいます。症状は人によって様々ですが、これは更
年期障害を起こす要因が、@身体的要因 A環境的要因 
B心理的要因 C個人の性格等これらが複雑に絡んで起こ
る身体と心の両面に渡る、多種多様な“不定愁訴症候群”
であるからです。不定愁訴とは、はっきりとした原因が見
つからないのに「なんだか、あちこち具合が悪い」という
症状の訴えのことです。これらの症状は自律神経という、
内臓や血管等の器官を調節している神経が、うまく働かな
くなってしまう“自律神経失調症”と密接な関係がありま
す。更年期障害はこの“不定愁訴”の固まりといってもよ
いでしょう。故に現代医学的には、原因が特定できないた
めに適切な治療法が確定していない状況が現実です。

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更年期障害を捉えなおすT