日本伝承医学の生命観、人体観、疾病観は生物のもつ、
生へのプログラムに立脚した合目的性としての生をまっと
うするという原則に照らして病気をとらえなおしています。
 病気や症状を正への対応という観点で見ていくと更年期
障害の本質がみえてきます。人体のすべての生理機能は、
血液・体液の「循環・配分・質」によって営まれています。
更年期障害を改善するためには、まずこれを整える必要が
あります。血液の「循環・配分・質」を乱している要因は、
精神的ストレスに起因した肝臓の充血・炎症と脳の充血
あるいは虚血状態にあります。
 人体の中で中身のつまった二大臓器である、肝臓と脳に
血液を取られてしまうと、全身の血液の循環・配分に狂い
が生じてきます。肝臓という臓器は、血液の貯蔵場所であ
り、体内毒素の解毒も行い、血液、体液の元となる成分を
作り出し、また、脳内の神経伝達物質(セロトニン・メラ
トニン等)脳内ホルモンの元となる物質も作り、その分解
をも行っているたいへん重要な場所となります。


更年期障害の対処と方法

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