次の段階が“痛み”としてのサインです。代表的なものが首・肩の痛み、
腰痛、背部痛となってきます。
外傷による痛みや運動痛以外で発生する痛みは内臓を主体とした内部
の異常を知らせるサインとして発生する場合がほとんどです。このシステ
ムを知らない現代人は首をかしげるばかりで直接的な因果関係だけを探
しだそうとします。
 例えば首の痛みで俗に言う“寝違え”を、変な格好で寝ていたのかしら
とか、頭が枕から落ちていたとか直接的な関係を探ろうとします。腰痛の
場合も同様でゴルフをやったからとか、重い物を持ち上げたからとかの因
果関係探しに終始します。
 しかし「寝違え」の場合の原因は、首及び肩にすでに“こり”があったとこ
ろに、窓を開けて寝たり、冷房等で冷やされたりし、こりの状態がさらに硬
く硬縮状態になったために起こります。
 寝違えや腰痛は確かに“引き金”となるものが存在します。しかしこれら
はすでに、“筋肉”が長い間に“こり”の状態を呈していて、極限状態にさ
らされていたところに“引き金”となる因子が働いて発生したものなのです。
(人体バナナ理論・人体積木理論参照)
 この筋肉の“こり”のほとんどが、実は内臓の機能低下に起因し、慢性的
に、あるいは急性症状として発生するものなのです。
 なぜかといえば、内臓に機能低下が起こると、その弱った内臓を保護す
るために筋肉は周りを固めて守ろうとします。その状態が持続すると、こり
として自覚されるのです。
 こりの次の症状として“痛み”が感じられます。痛みは、こりの状態が続く
と時間とともに筋肉の内圧を高め、神経を刺激するため発生してきます。


 次の段階は、筋肉の痛みによる運動障害です。関節の可動範囲に制限
がみられ、肩が上がらない、歩けないという障害となってあらわれてきます。
 その次は、血行障害の持続によるシビレ感です。感覚異常、発生の段
階に入ってきます。これが長期につづきますと次の段階として感覚まひ、
運動まひの状態に入ってきます。
 これまでの過程を正座を例にして説明してみましょう。
正座はひざを折ることで血行不良が起こり、しばらくすると筋肉の痛みを
感じてきます。そのままの姿勢を継続すればしびれに変わってきます。
しびれの状態が時間の経過と共に感じられなくなり、足を伸ばそうとして
みても自らの意志で動かすことができなくなります。これがいわゆるまひ
の段階です。

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