「血圧」を薬で下げてしまうと、どうなりますか
頭痛やめまいを例にあげて解説してみます。
頭痛やめまいは脳の虚血状態(血液不足)によって、引き起こされてい
ます。脳に虚血状態が起こると体は、脳へ血液を送り込むために一時
的に血液を流す力を高くして(高血圧にして)、脳への血流を守ってい
きます。体は必要があって血圧を高くしているのに、これを薬で人為
的に下げてしまうと、一時的に頭痛やめまいは消え去ります。しかし、
警告サインである頭痛やめまいが消え去ることによって、体は黄色信
号を見失ってしまうことになります。薬の作用によって治ったと思い
込んでいる間にも、脳内では、慢性的な血不足が続いています。
体はこの脳への血液不足を補うために、さらに次の対応処置をとって
いきます。脳の微細な血管をつまらせ、主要な血管の流れを確保して
脳の血流を守りぬこうとしていくのです。これが脳梗塞にあたります。
つまり血圧を薬で下げてしまうと、体はその次に命を守ろうとするた
めに脳の毛細血管をつまらせ、脳梗塞等を引き起こしてしまう場合が
あります。よかれと思って服用している薬の作用が、実は次の段階の
対応に体を向かわせていくのです。
体に生じる症状はすべて警告サイン(黄色信号)になります。この警告
サインを人為的に消し去ることは、いきなり赤信号になってしまうこ
とにつながります。
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