〈日本伝承医学概論〉



 日本伝承医学の理論と技術は、既存の治療法と大きくその概念を異
にしています。日本の古代人たちが到達した高度な生命観・人体観の
中から発見した骨への卓見が学技の背景になっています。
日本伝承医学の学技を理解していただくためには、現代人の骨に対す
る概念を根底からくつがえさなくてはなりません。
 人体中の骨は単なる構造上の支えの働きだけではなく、生命活動の
中心をなす、生命のしくみとしての「物質・エネルギー・情報」の三
態の貯蔵庫であり、発信基地であったのです。
骨の概念として重要な視点をまず6点あげてみます。

@ 人体の骨は、人体中最大の組織である。
A 骨は人体中、最大最速の伝達系である。
B 骨は全身をくまなくネットワークしている。
C 骨は圧がかかることで電気を発生する。
D 骨は電気の通り道であり、蓄電場所である。
E 骨は大気中、大地から電気を吸着する。
  そしてアンテナとしての作用を有する。 

以上の6点から骨というものの存在をとらえ直し、再認識していただきたいと思います。
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