人体中に、二つある臓器は、肺と腎臓です。
肺は、生きていく上で一番重要な、酸素を取り入れる器官ですが、同時
に呼気として、ガス交換と内部の熱の排泄を行っています。
また、腎臓は血液のろ過装置として重要な器官ですが、尿として体外に
熱をすてる重要な器官でもあるのです。 故に、二つ備えることによって、
片肺になっても生きていけるように、設計してあると考えられるのです。
  熱の排泄として働いているのが呼気作用です。
内管の“口”に相当する、口や鼻から呼気として熱を放出しているのです。
故に吐く息はあたたかいのです。 咳の症状も吐く息の繰り返しで、熱を
同時にすてていると考えてもよいでしょう。(咳とは本来、肺の機能鼓舞す
る作用をもっています)
 症状とは悪い反応ではなく、改善のための対応の姿なのです。口から
痰(タン)や嘔吐も熱をすてる手段として働いています。
 腎臓と膀胱は尿(小便)として、体内の熱を排泄しています。また、内管
系の下の出口に相当する肛門からは、大便として熱を排泄しています。
こう考えてみますと、症状としての嘔吐、下痢は、これを繰り返すことで、
内管及び体内の熱をすみやかに外にすてている姿とも考えられます。
熱をすてるための手段として人体の体表に“穴”として、あいているもの
は、すべて内部の熱をすてるためにも働いていると考えて差し支えない
でしょう。
  その他 “穴”としてあいているものは、耳、目、女性の生殖器も、内部
の熱をすてるために、機能していると考えられます。事実、耳ダレや涙、
目やに等は、内部の熱を処理するために働いていると考えられます。
 女性の生殖器も、生理として、毎月血液を体外にすてています。これも
熱の処理の一端を担っていると考えられます。症状としてのおりもの、不
正出血等も同様です。
  身体の熱を排泄する手段は、以上の方法でもって実に効率よく行われ、
体内の温度を36.5度という恒常体温に保つように働いているのです。
 恒温動物であります人が生きる、また生きていくということは、まさに熱
をどう排出していくかが重要な“命題”となるのです。


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