一億総肝機能低下の時代と、私は考えています。肝臓の
病名はつかなくても、健康診断の血液検査で、肝機能の低
下を指摘される人は、相当の数に達しています。また目の
異常、頭痛、めまい等の症状を持つ人もたくさんいます。
実は、これらの症状のすべては、肝機能の低下と深く関わ
っているのです。
 現代社会は、複雑な人間関係、人々の価値観の多様化と
あいまってストレス過多の時代を作り出しています。精神
的緊張の持続、心労は、ストレスを生み、精神のみでなく、
私たちの肉体(生理機能)をむしばんでいます。精神的スト
レスが身体に影響をいちばん及ぼす場所が、実は肝臓なの
です。精神的ストレスが肝臓を充血させ、内熱を発生させ、
肝臓の機能を低下させているのです。
 肝臓は“沈黙の臓器”とよばれるように、他の臓器と比
べて痛みや違和感という自覚症状の少ない内臓になります。
しかし、生物としての人体が命を存続させるために、内部
の異常を警告サインとして出さないはずはなく、人体の様
々な個所に必ず肝機能低下のサインは発せられています。

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肝臓をとらえ直す