咽頭部、口、舌の冷却法

  

 元来、心肺機能の弱い体質の人は、体からいちばん熱をすてやすい咽頭部、
口、舌に炎症を起こし、余計な内熱を体外へ排出していこうとします。歯ぐきや
ほおの裏、舌の下、舌のふち、咽頭部に口内炎、腫瘍、ただれ、炎症といった
形であらわれてきます。食事時や唾液を飲み込むたびにしみて、のどをつきさす
ような痛み、脳までひびくような激痛を伴いますが、氷での冷却で痛みをかなり
緩和させていくことができます。

アイスバッグに氷を入れ、直接のどや歯ぐき、ひたいにあてて冷却するほか、
痛みが激しいときには氷の小粒を口にふくみ、口内全体を冷却していきます。
舌に痛みがある場合は口の中にふくんだ氷が舌の患部にあたるようにします
(水分をとりすぎると胃がふくれてしまうため、体調をみながら、氷がとけたら飲
み込まずにコップに出していくこと)

痛みや炎症が起きているときは、口から咽頭部、頭部にかけて、かなりの熱
を帯びてきます。睡眠時には長枕タイプのアイスバッグで、一晩中後頭部冷却を
するようにしてください。

また、口、舌、咽頭部に症状がでている場合、無意識に患部をかばいながら食事
をするため、そしゃく、えんげ作用が正常に働かず、胃、腸の機能低下を引き起こ
していきます。下痢、便秘の繰り返しやガスが滞留することによる下腹部の痛み、
胃が圧迫されるような不快感、胸を突き上げる息苦しさ等、さまざまな苦痛を伴っ
ていきます。

 これらのおもてに現れる症状はすべて、体が命を守り抜こうとするための正への
対応の姿となります。痛みのある部位の冷却と共に、肝臓冷却を行ない、体全体
の血液の循環、配分、質を根底から整えることも大切です(肝臓冷却の詳細は
「局所冷却のすすめ」参照)

 

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