会社はある自動車メーカーとしましょう。世界的な不況により経営が悪
化してきたとします。
 この「会社」が生き残っていくためにはどうしても処置、対応が迫られま
す。そこでとられる対応は正への対応となるはずです。様々な対応策を
とっていくはずです。経費削減対策、人員整理(リストラ)も行われるでし
ょう。賃金カット等あらゆる手段が講じられるはずです。そして最終的な
対応として、日本全国に散らばっている「工場」を閉鎖、休止させていく処
置をとらざるを得なくなってきます。「会社」を生き延びさせて行くためには
やむを得ない処置といえるのです。
 数ある工場を閉鎖、休止して規模を縮小していくはずです。しかし、会社
全体としては存続、生き延びていこうとします。そして経営が好転すれば、
また再稼動することも可能でしょう。この会社が生き延びていく対応の姿
は、そのまま生物としての人間の生き延びていく対応システムと同等にな
るはずです。このようなアプローチの仕方の中から「生命の本質が見えて
くるのではないでしょうか。


 次に「国」という単位で生き残るための戦略を考えて見ましょう。有史以
来「戦争」は絶えることがありません。ある「国家」が戦争に勝ち、生き残
っていくためには、様々な「軍事戦略」を必要とします。その中から、「防
空」に的を絞ってある国の防空システムを見てみましょう。 敵国が大陸
間弾道弾発射したとします。それを迎え撃つ、大型の迎撃ミサイルを準備
しています。
 次に敵国の爆撃機が飛来したとすれば、それを迎え撃つ飛行機、戦闘
機、中距離ミサイルを必要とします。更に、領空を侵され始めますと中距
離のミサイル、高射砲、戦闘機が必要となります。段階的な防衛網です。
 このように、幾重にもはりめぐらされて防空システムを実施させています。
さらに、敵の攻撃を事前に察知するために、、防空監視のレーダーシステ
ムを当然備えなければなりません。このような防空システムをみていきま
すと国家の生き残るために備えるシステムは、生命体が生き残るために
備えている免疫システムとほとんど同様のシステムが構築されていること
がわかっています。


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