男性不妊の原因とされる精子の質の低下、精子数減少、運動
力低下は何故起きるのか〜その対処法
 2017.3.28 有本政治



昨今の子どもができない夫婦の増加は、大変由々しき問題です。最近では3組に
1組位の割合と言っても過言ではありません。このままでは現代人類は子孫を残
す事ができなくなるのではないかと危惧されています。この傾向は日本だけでな
く、世界共通の問題とも言えます。

日本においても、昭和35年以前には考えられなかった子どものできない夫婦の
増加は、年を追う毎に増加の傾向をたどり、結婚年齢の高齢化と相まって、現在
に至っています。現在では大きな社会問題ともなってきました。
ご夫婦で男女とも不妊治療や体外受精、人工授精を行なう方が増加しているの
が実状です。また何年も不妊治療を行なってもその確率は極めて低く、また精神
的な苦痛も指摘されています。さらに膨大な治療費の出費も大きな問題です。

この不妊の原因は、女性の側にだけ問題があるのではなく、男性側にも同様に
生殖能力の低下がみられます。男女共生殖能力低下が顕著に見られるのです。
今回は男性側に潜む根本的な原因を解明していきます。
この男性の生殖能力低下の問題を解説するためには、その人自身の心肺機能
(心臓と肺の機能)の弱さや、遺伝的な体質だけではなく、人類をとり巻く社会的な
背景となる環境汚染の問題も関わってきます。その中でも「環境ホルモン(内分
泌撹乱物質)」が大きく関わっており、これが人体にある作用を及ぼして男性不妊
の原因となる、精子減少や精子の運動能力低下の要因の一因となっているので
す。この根拠と機序を以下解説していきます


『環境汚染からくる“環境ホルモン”が生殖器系に影響をもたらした』

上記の要因を探るには、様々な角度からのアプローチが必要となります。その中
でまず明らかな要因となるのが約30年前に言われ始めた『環境ホルモン(内分泌
撹乱物質)』の問題です。これは簡単に言いますと、現代文明がもたらした”環境破
壊”の問題です。これは自然界には単独では存在しない有害物質の排出と蓄積
が、その地域に生息する動植物の生理機能に異変をもたらしたのです。

科学文明が作り出した有害化学物質の排出と蓄積が、河川、海、大気、土壌を
汚染し、水質汚染、海洋汚染、大気汚染、土壌汚染等を引き起こしたのです。
その中の有害物質が生物の体内にとり込まれ、生理機能に異変をもたらしました。
特に内分泌系(ホルモン系)を侵し、その中でも生殖器系に影響を及ぼし、生殖能
力の低下、生殖異常、奇形、雌雄両性具有を多発させています。これを「環境ホ
ルモン」と呼んだのです。

その結果、汚染された河川に生息する貝類や両生類、爬虫類等に、生殖異常や
奇形、雌雄両性具有が多発してきたのです。この影響は動植物だけでなく、当然
そこに生活する人類にも影響を及ぼしてきました。この状態の持続が、人類の生
殖可能な男女の生殖器系に異変をもたらしたのです。
これが男女ともに、生殖能力低下や流産、奇形児の増加、精子減少、精子の運動
能力の低下、性同一性障害の増加等の根源的な要因となっているのです。

この環境ホルモン(内分泌撹乱物質)による男女共の生殖機能減退が背景にあり、
それに拍車をかけているのが、食べ物の問題です。環境汚染は当然植物にも影
響を及ぼしています。それを我々は毎日口にし、さらにそれに加えて食品添加物
の副作用と栄養摂取の片寄りが現代人の生理機能を蝕んでいるのです。


『食品添加物や栄養摂取の片寄りによる人体への影響』

1965年以降位より、食卓に加工食品が多く出回るようになり、食品を腐らせない
ための防腐剤の食品添加が常態化しました。また見栄えをよくするための合成
色素、発色剤等も多く使用されてきました。これら食品添加物を長期に渡り体内
にとり込むことは、人体に害をもたらすのは明白です。ましてや1965年位以降に
生まれた人は、幼児期より常にそれらを体内に入れ、成人以上に害を受けるの
は必然です。

またこの頃食卓に登場したパン、パスタ、ハンバーグ、バター、チーズ類、肉類等
の豊かな食生活は、三大栄養素である「タンパク質・脂肪・炭水化物」の摂取不足
を軽減しましたが、逆に日本の伝統的な食文化を激変させました。これは決して
良い事ではなく、日本人の体を支えていた、海産物の摂取、伝統的な発酵食品の
摂取を減少させ、これらに含まれていた微量な必須栄養素となる”ミネラル”のバ
ランスを大きく乱す結果となったのです。つまり、食べ物の全体的な栄養摂取の
バランスを乱したのです。特に必須ミネラルのカルシウムの摂取不足は、人体面
の悪影響だけでなく、情緒不安定や精神的に“キレる”子ども達を生み出しました。

これら二つの条件の蓄積は、前項で解説した環境ホルモンと同作用を人体に及
ぼしたのです。食べ物が悪い、水が悪い、空気が悪い、土壌が悪い、着る物(化
学繊維や染色物の害)が悪い、建築物(住居)が悪い等、こうした劣悪な衣食住の
環境の中で、想像をはるかに超えて私たちの生命力や免疫力は低下してしまっ
たのです。全体的な生命力の低下は、新たな生命を生み、宿す体内環境を乱す
事につながっていったのです。当然内分泌系を乱し、生殖器系の機能を短期間
で低下させたのです。


『環境ホルモン(内分泌撹乱物質)と食品添加物、栄養の片寄りの問題は人体の
生殖器系の機能減退のみならず、肝臓の解毒作用に負担をかけ、肝臓、胆嚢機
能の低下をもたらした』

体内にとり込まれた有害物質が内分泌系を撹乱し、人体の生殖器系の機能を低
下させてしまいました。そしてそれら有害物質の長期的なとり込みは、体内に備わ
った毒素を分解する機能にも大きな負担をかける事になったのです。

体内の解毒作用を担うのは、内臓の肝臓になります。人体における肝臓の役割
は重大です。肝臓は血液が固まったような大きな臓器で、常に血液が貯蔵され、
全血液量の約4分の1が集まります。その大量の血液を使って、人体の全ての代
謝(必要な物に変化させる働き)に関わります。生命維持に不可欠なタンパク質代
謝、糖、脂質、ビタミン、ミネラル、胆汁酸代謝を司っています。
また、人体に入ってきた有害な物質や体内で合成された有害物質を解毒する重
要な働きがあります。この機能のお陰で体内に毒素が回るのを防ぎ、命が維持さ
れていきます。

さらにもう一つ重大な働きが、胆汁の生成になります。肝臓で生成された胆汁は
胆嚢という袋に集められ、濃度を濃くして十二指腸に分泌されます。胆汁の分泌
量は1日に約600ml〜1000mlといわれ、かなりの量になります。胆汁の役割は、一
般的には脂肪の分解吸収を助け、解毒された老廃物を体外に排出したり、ビリル
ビンの合成、便の生成、胆汁酸の合成等があります。しかしその働きの最も重要
なものは、苦い成分により血液の熱を抑え一定に保つ作用になります(抗炎症作用)。

肝臓と胆嚢は“肝胆相照らす”(かんたんあいてらす)と言われるように、一体の臓
器で、肝臓が弱れば胆嚢も一緒に弱るという関係があります。母親の胎内にいる
時点から、環境ホルモンの影響を受け、その毒素を分解するために、酷使され続
けた肝臓は徐々に疲弊し、肝臓、胆嚢とも機能低下していったのです。これは生
命にとって重大な問題であり、自身の生命力や免疫力を確実に低下させる要因と
なったのです。
さらに生命維持に需要な働きを担う肝臓と胆嚢の機能低下が、男性の精子の生
成や働きに影響をもたらす事につながっていったのです。


『肝機能低下と胆汁の分泌不足が、血液と体液(精液を含む)に熱変性を起こさせ、
精子の生成と質、また運動を減退させる要因となった』

肝臓(胆嚢を含む)の機能低下は、人体の全ての代謝機能を低下させていきます。
これは当然全ての生理機能に影響し、当然精子の生成機能にも低下をもたらし
ます。これが精子の数を減少させる一因となるのです。それのみならず胆汁の分
泌不足は、血液や体液(精液を含む)に熱を帯びさせ、その質を低下させてしまう
のです。

前項でも解説しましたが、胆汁のもう一つの作用である、血液や体液(精液を含む)
の熱を下げ、一定の温度に保つ働きが機能しなくなると、血液や精液が熱を帯び、
熱変性によって血液や精液の“質”を低下させるのです。

血液における熱変性は、赤血球同士のくっ付き(連鎖)になります。生卵の白身の
部分が熱が加わると白く固まる現象と同じです。
熱変性によって、赤血球同士の連鎖(ドロドロでベタベタな血液の状態)と形の変形
が起こるのです。これは当然本来の赤血球の働きを失い、血液の質を低下させます。

これと同様な事が精液にも生起されるのです。精液は血液の温度より約1度低く
設定されており、元々熱に弱い性質を有しています。故に胆汁の分泌不足による
体液の熱の上昇の影響を最も受けやすい体液となります。これにより精子の連鎖
と変形が起こるのです。血液の温度より1度低いというのは、大した問題ではない
ように思われますが、この1度の差は微生物にとっては死活問題になります。
海水温に例えますと、海水温が一度上昇するだけで、多くのプランクトンが死滅
すると言われています。
これが精液中の精子を死滅させる要因と考えられます。また死滅しないまでも、
その活動能力を大きく減退させるのです。

このような機序で、精子数の減少と精子の運動能力の減退が生起されると考えられ
ます。精液の質も低下し、数も少なく、泳ぐ能力も乏しく、卵子の壁を破る事ができ
ない運動能力の弱い精子では受精は達成できません。これが男性不妊の根源的
な要因と位置づけられるのです。


『さらに肝臓、胆嚢機能低下は、精神的なストレスの持続が最も大きな要因とな
るーーー精子数減少や運動能力の弱い男性は肝胆機能が低下している。』

上記の肝臓、胆嚢機能の低下に加えて、これらの臓器の機能をおとすのは、精
神的なストレスの持続が大きな要因となります。精神的なストレスの持続は常に
脳を興奮させ、脳の休息の時間を奪います。現代医学的にも脳と肝臓(胆嚢を
含む)の関係は、肝脳相関として密接に関わっています。

脳内の神経伝達物質や脳内ホルモンは、胆汁の生成するコレステロールから作
られ、肝臓胆嚢と脳内物質は結びついています。これらの関連から精神的なスト
レスの持続は、脳を疲弊させ、これと関わる肝臓と胆嚢の機能低下を引き起こす
のです。
このような要因が加味される事で、益々肝臓、胆嚢の働きの低下が進み、前述の
様に精液に熱を帯びさせ、男性生殖器系の弱りを生起させるのです。

環境ホルモンからの影響は、全ての男性が共通に受けます。しかし全員が精子
数減少や運動能力の減退を起こすわけではありません。これに肝胆の機能低下
が加味されることで顕著な症状が発現するのです。特に胆嚢機能低下の人で、
胆汁の分泌不足の人は、精液に熱を帯びやすく、精子数減少や運動能力の低
下の症状が出やすくなります。

精神的なストレスの持続が体に影響をもたらす人とそうでない人の違いは、もっ
て生まれた資質(体質や性質)にも関わります。故に個人差があり、置かれている
環境や条件も大きく関わります。また遺伝的に肝胆機能が弱い人もいます。
ただ確実に言えることは、男性不妊の大きな要因の一つには、肝臓機能の低下
が必ずあり、さらに胆嚢から分泌される胆汁が大きく関わっているという事です。
これは注目すべき大事な要因となります。男性不妊の改善には、肝機能を高め、
胆汁の分泌不足を改善する事が解決の糸口となるのです。


『男性の生殖能力の低下は、繊細なメンタルと複雑な現代社会の世相とも関わっ
ている』

人間社会に生きる以上、精神的なストレスは誰しも避けて通る事はできません。
また価値観の多様化が人間関係を複雑にしています。さらに昨今はコンピュータ
社会で、脳や目の酷使からのストレスも蓄積されます。これがより多くの人に脳
内の熱のこもり(脳の炎症)と肝臓、胆嚢の機能低下を進めてしまったのです。

脳内の熱のこもりは、脳の中心部の脳幹(別名、命の座)の機能に影響を与え、こ
こにあるホルモン中枢や自律神経中枢の機能を低下させます。特に女性は脳の
視床下部から出る性腺刺激ホルモンの分泌を妨げ、子宮や卵巣機能を狂わせま
す。これは同様に男性の精巣の機能を司り、生殖器系にも影響を及ぼすのです。

さらに弱った肝臓と胆嚢の機能を回復させるためには、大量の血液を導入して、
肝胆に熱と充血を起こさせ機能の回復を図ります。肝臓という血の固まった様な
大きな臓器に大量の血液が集まると、人体の血液の配分を大きく乱し、血液の供
給が十分に行なえない箇所が出てきます。また精神的なストレスにより脳にも大
量の血液を導入します。これが陰茎に集まる血液の供給を妨げ、男性のインポ
(勃起不全)は発生するのです。
こうした状況や社会環境から、最近では中年男性に多かった性的不能が、若年層
まで見られる様になっています。これは精神的な要因とこれまで解説した機序の
中から起こる生殖器系の機能の低下が合わさっての現象です。

特に精神的なストレスの影響は、受けやすい人と余り影響を受けない人と、もっ
て生まれた資質が大きく関わります。特に男性は元来精神的にもろく、自尊心が
強く、精神的なストレスの影響を受けやすいのです。また性行為において、女
性のさりげない言葉にも傷つき、精神的な性的不能に陥りやすいものです。

さらに若年よりポルノ等の影響で性的な刺激を受け続け、性体験の若年化や早く
から性への興味を満足させたために、早い時期から性欲の減退が起こり、“セック
スレス”状態が起きています。所謂“草食系男子”の増加もこれに該当します。これ
らも出生率の減少に拍車をかけています。性欲減退の若者の増加はこの様な複
雑な状況が重なっての結果であり、この解決は容易ではないと言えます。


『男性側に不妊の原因がある事を素直に認めたくない心理が働く』

不妊の原因が男性側にある事を、男性は素直に認めたくない心理が働く傾向が
あります。しかしそんな情けない事を言ってる場合ではありません。子どもができ
るできないは人生において重要な選択になります。精子数減少や運動能力の減
退など「男の沽券にかかわる」といった身勝手な言い分は通用しないのです。
男性は、もっと現実を素直に受け止めていかなければなりません。自分自身にも
問題があるかもしれないということをまず認めて、改善していく事です。


『どう対処すべきか』

これまで男性不妊の原因を、様々な角度から掘り下げてきました。社会的な背景
となる環境ホルモンや精神的な要因及び複雑な現代社会の世相を変える事は、
一朝一夕にはできません。しかし、その他の要因は男性不妊の根拠と機序が示さ
れています。男性不妊の根拠と機序が示されているという事は、どう対処すべきか
の答えは既に出ています。

現代医学がとり組んでいる男女共の不妊治療のやり方となる、局所的な対症療法
では、効果が出ない事はこれまでの実績が証明しています。もっと別の視点に立っ
た総合的な治療法が必要です。それは全体と局所との二面からのアプローチにな
ります。

そのためには、全体的な面での低下した生命力と免疫力を元に戻し、直接症状に
関わる全身の血液の循環・配分・質(赤血球の連鎖と変形)の乱れを修復する事
が基本的に求められます。それにプラスして局所の機能(男性の場合は精子数減
少と運動能力の向上)をいかに上げるかです。
その中で男性不妊の絶対的な要因となっている、精子数減少と運動能力の減退
を改善するためには、肝臓と胆嚢の機能を高め、胆汁の分泌を正常に服す事が
命題になります。


『上記の総合的な治療と胆汁分泌の命題を解決できる日本伝承医学の治療法』

日本伝承医学の治療法は、世界で唯一、骨髄機能を発現できる治療法になります。
周知の事ですが、人体の骨髄において細胞新生と造血が行なわれています。
生命力とは言い換えれば、細胞の新生を意味します。また免疫力とは血液が担い、
新しい血液が増産されれば、免疫力は高まります。つまり免疫力とは造血力に置
き換えられます。
低下した生命力や免疫力を元に戻すためには、細胞新生と造血を活発にする事で
成し遂げられます。そのためには骨髄の機能を発現させる事が一番理にかなって
います。骨髄の中に多く存在する「造血幹細胞」にスイッチを入れることで細胞新
生と造血が行なわれ、合理的に短期間で低下した生命力と免疫力を回復できる
のです。

骨に対する高い見識を有していた日本の古代人は、骨のもつ特性を利用して、骨
髄機能を発現する方法を伝え残しています。これが日本伝承医学の治療の基本
になっています(治療法の詳細はHP、日本伝承医学の治療の項を参照)。

環境ホルモンによって内分泌系を乱された現代人の生理機能を改善するために
は、まず背景に存在する低下した生命力や免疫力を高める事は不可欠になりま
す。これを達成できるのが骨髄機能を発現するために開発された日本伝承医学
の治療法になります。
また内臓的には、肝心要となる肝臓、胆嚢と心臓の働きを高める事を目的に技術
が構築されています。これにより全身の血液の循環・配分・質(赤血球の連鎖と変
形)の乱れが改善されるのです。

さらに古代人は開発した肝臓、胆嚢の炎症や充血、腫れをとる“右大腿骨叩打法”
が短期間で肝胆機能を回復させます。この日本伝承医学の肝胆の炎症をとる技
法は、肝炎、胆嚢炎と名のつく炎症状態に対しても一回の治療でも大きな効力を
発揮します。これにより肝臓の充血がとれ、全身の血液の配分が改善し、胆嚢の
腫れがとれる事で袋の収縮が改善し、胆汁の分泌を促進するのです。

これにより、血液や精液の熱を冷まし、本来の働きをとり戻すのです。また家庭
療法として薦める「頭」と「肝胆」の氷冷却法が、脳幹部の熱のこもりを除去し、生
殖器系へのホルモン分泌を促進します、また肝臓胆嚢の充血と熱を改善させます。

さらに男性の生殖器系へのアプローチとして、骨伝導を利用して骨を細く振る「ふ
り操法」が大きな効果を生みます。この様な統合的で合理的な治療で、全体と局
所の両面からとり組む事で結果が出ています。日本伝承医学の治療法は不妊治
療には優れた効果を示してきました。不妊で悩んでいる方は一度相談下さい。