実は膝の痛みの発生は、この身体全体の姿勢と深く関わ
っているのです。身体全体に起こる“捻れ”の姿勢が、膝
の変形、痛み発生の根本的問題になります。人体の体幹部
(胴体)に発生した捻の歪みは、当然胴体のみならず、下半
身の関節に、ひずみをもたらします。特に膝という関節は、
下肢の中間に位置し、捻れの集約を一番うけやすい場所に
なります。
 膝に捻れが発生するとどういうことが起こってくるかと
いうと、関節内の循環不全が生起されます。この状態を水
道につないだゴムホースに例えると、ひとひねりされたゴ
ムホースは水がストップされて流れなくなるのと同じ原理
になります。膝内部の血液、体液の循環を大きく妨げる要
因として働くことになるのです。「流水腐らず」というた
とえがあるように、循環の停滞は様々な生理失調をもたら
す原因として作用することになります。循環不全による熱
の発生は避けられなくなります。また、膝関節は、しゃが
んで立ち上がるときや階段を降りるとき、山登りの際など
に全体重を支えなければならない関節です。そのために、
膝関節に作用する筋肉は、太ももと呼ばれるように人体中
で一番強く太い筋肉で支えられています。

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