発熱することで何をしているのか
人体内の発熱のメカニズムを解説してみましょう。
私たちは冬場寒い時など、手が冷たければ無意識に手
をこすり合わせて摩擦熱を発生させています。また体
を縮めて小刻みに体を振動させて、ぶるぶる震わせて
熱を発生させようとします。
体をこすったり震わせたりすることで摩擦熱を応用し
ているのです。これが人体の発熱のメカニズムになり
ます。この発熱の機序はミクロな場での発熱の機序と
同等です。体を構成している分子の運動を平常より活
発にさせることで、分子間に摩擦熱を発生させています。
電気製品の電子レンジの例がこれにあてはまります。
電子レンジで水を沸騰させる場合、目に見えないマイク
ロ波を水に照射することで水の分子運動を活発化させ、
その摩擦熱で水を沸騰させます。正確に言うと、マイク
ロ波2450MHZを照射して水分子を1分間に
24億5000万回転振動させています。だからあっと
いう間に水が沸点に達します。人体の発熱のメカニズム
もこのように作動しています。体温を40度に上げるの
は短時間で起こります。今まで元気に遊んでいた子ども
が急にぐったりして、熱を測ってみると40度近くにな
っていたという例はよくあります。知恵熱といわれる現
象です。しかし、翌日になると平熱に戻り、また元気に
遊びはじめます。