最近研究されている恒温動物の低体温保存の実験では、体温
を32度前後に低下させて、これを長期に持続させても、動
物の体に何の変調も起こらないことが報告されています(動物
の冬眠が相当します)。これは人体にも応用され低体温療法と
して脳障害の治療として大きな効果をあげています。また、
(頭部)の冷却療法は、脳出血、脳梗塞、めまい、頭痛等の
治療法として、大変有効になります。36度5分より4〜5
度下がっても体に変調は起こらず、病気治癒に効果を発揮し
ていくのです。逆に体温が4〜5度上昇して、40度前後に
なると私たちの体は生活に支障をきたしてきます。

36度5分から5〜6度上昇し、42〜3度に達すると細胞
内のタンパク凝固が起こり、死の転機をむかえます。
わずか5〜6度の上昇で死に至るほど、人体は熱に対してた
いへん弱い体質をもっています。

それゆえ高熱に対してはこれを速やかにすてるシステムを人
体は完璧に備え、命を守ってくれています。熱が必要なとき
にはすぐに発熱し、必要がなくなれば速やかに熱をすてるシ
ステムが作動するように、私たちの体は作られているのです。
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