徐々に進行していく、完治しにくい、治療のほどこしようのない病として宣告
されることによって、不安や恐怖心をつのらせ、症状を深刻化させてしまう
ケースも少なくありません。精神状態の乱れが肝臓を充血させ、血液の循
環、配分を乱し、健康を害していくのです。体は心が支配しているといって
も過言ではありません。
また、初期段階でせきやたんを止める薬や炎症止め等の薬を服用してしま
うと、ますます病を深刻化させてしまうことになります。症状の出ている内部
には必ず炎症があります。内部の炎症を封じ込めてしまえば、体はさらなる
対応にせまられます。体は肺の機能を守るために空洞を大きくしているのに
薬等でおさえてしまうと、次なる対応としての肺炎や肺結核、肺がんとなって
までも命を守ろうとしていきます。
初期症状の段階で日本伝承医学による三指半操法、リモコン操法、心臓調
整法及び、せきどめの処方で充分に症状を改善させ、心肺機能を高めていく
ことは可能になります。また、肝の叩打法により、肝臓の肥大、炎症を取り去
り、肋骨、横隔膜に動きを取り戻していくことができます。
体に起こる症状はすべて命を守るための対応の姿であるという認識のもとに
無意味な検査は極力避け、肺気腫そのものの意味を知ることにより、正しい
対処法を選択していただきたいと思います。 

4.家庭で行なえる療法

 ひとり操法としての三指半操法、うなじむなさき法、たたき操法、集約拳、
頭頂叩打法をとりいれます。これらの基本操法で体のねじれ、ゆがみの原
因となっている心臓、肺の機能を高めることができます。
また体全体の血液の循環、配分を乱しているおおもとの肝臓の充血をとる
ために、肝臓の局所冷却法が重要な意味をもってきます。冷却によって、
肥大した肝臓の炎症がおさまれば、横隔膜に動きが出て、らくに呼吸がで
きるようになります。肝臓の充血がとれ、血液の循環がよくなれば、肺の血
液循環もよくなり、酸素が充分送り込まれ、息苦しさや胸苦しさは緩和されて
いきます。

次のページへ