日本伝承医学の生命観 



 命の捉えかた 


 命(イノチ)のことを考える場合大切な視点は、ヒトのイノチにだけ限定
しては、正しい解答を得られないということです。イノチの枠組みをイノチ
あるもの、つまり“生物”、あるいは生命体という大きな枠組みのなかで
捉える必要性があるのです。
  ヒトだけが命をもっているわけではありません。他の動物も、昆虫、植
物、魚類、鳥類、両生類、細菌類等・・・、すべて命をもった生物です。
肉眼では見えない、細菌やウィルスといった微生物から、最大の生物ク
ジラまで多種多様に存在しています。
  「イノチの原理」を探る作業は、これらに共通している“命を存続させる
共通分母”を求めなければなりません。この共通分母が見つかれば、こ
れが生物の命を存続させている根源のチカラになっていると考えても誤
りではないでしょう。

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