日本伝承医学技術の概要



  日本伝承医学の技術は、機械や器具を用いるのではなく、「手」を使
った手技療法です。この手技は、筋肉を押したり、もんだり、関節を矯正
したりする技術とは異なっています。足を開いて角度をとって、かかとを
ストンと落下させたり、「ゆり・ふり・たたき」といって、人体を水の入った
容器と考え、気持ちよく体を「ゆすったり」、小刻みに「ふったり」、手刀で
リズミカルに「たたいたり」という方法を用います。
 これらの技術は、初心者でも簡単に修得でき、安全で、危険な要素を
含みません。「命の物理」を解明することによって、技術を簡単に、単純
に、短時間にすることが可能になったのです。
 家庭療法として用いる場合に、いちばん大切なことは、安全な技術で
あるということです。そして、誰もが修得できる技術であること、しかも短
時間で行えることが必要条件です。


  日本伝承医学の技術は、これらの必要条件をすべて充たしています。
手慣れができれば、3分間で終了することが可能な技術です。もちろん
プロの治療家をめざすには、その他、専門の技術を、修練を積む中で身
につけていかなければなりません。
  家庭療法の技術は安全で効果のある技術の集大成であり、「命の物
理」に基づいている故に3分間で可能なのです。どんなに優秀な技術で
あっても、長時間かかっては家庭療法としては不向きです。時間のかか
る技術は受ける側も気がねになり、やる方も疲れてしまい、長続きでき
ないのが現状です。お互いに疲れない短時間で行える技術であればこ
そ、家庭療法として毎日行うことができるのです。
  さらに大きな利点は、寝たきりで、起き上がれない病気の人に対して
も、ベッド上で行うことができる点です。姿勢を大きく変えたり、病気の人
に苦痛や恐怖心を与えることがないのが特徴です。しかも一日何回行っ
ても、刺激過剰になる恐れがほとんどありません。それは、他の技術と
根本的に治効の概念が異なっているからです。


  日本伝承医学の技術は、足部に手技でもって電気を発生させ、人体
内に電位差をつくり、人体の電界を調整し、体内電気を補充・充電する
ことを目的としたものです。
わかりやすくいえば、自動車のバッテリーあがりに例えられます。車の
バッテリーが不足するといくらキーを回してもエンジンはかかりません。
しかしバッテリーに電気を補充・充電すれば、エンジンはスタートできる
のと同じ原理なのです。
  故に万病に対して、同一の技術で対応できるのです。いわゆる診断、
治療個所の選択がいりません。
家庭療法としての日本伝承医学技術は「原理」を理解できれば、誰でも
が行うことができ、安全で効果の高いものです。まさに世界に例をみない
「命の物理」に基づいた、手技療法になります。

次のページへ