日本伝承医学のバセドウ病の治療
 

バセドウ病の対応は、甲状腺を亢進させて心臓の拍動を守ろ
うとする対応になります。そのために1分間に60100回位の
脈拍が150250の頻脈になります。脳の虚血を防ぐために、
血液を早急に廻す対応をとるためにバクバクさせて心拍を上げ
ていくのです。頻脈になる為、息苦しさ、発汗(冷や汗)
立ちくらみ、めまい、動悸、吐き気、下痢、疲労感等の症状が
発生します。高熱が突然出る場合もありますが、解熱剤は使用
してはいけません。人体は38.3度の高熱で免疫機構にスイッチ
が入ります。3日高熱をやり過ごすことで免疫力が上がるのです。
解熱剤等で下げてしまうと、体は熱の排出先を失い、水下痢や
嘔吐等で体外へ排出しようとします。肝臓胆嚢機能が低下し、
胆汁の分泌が悪くなるため水下痢が長期に渡り続きます。

 人体は薬剤が体内に入ると異物と察し、異物を攻撃する時に
働く白血球の数を跳ね上げていきます。血液組織のバランスが
崩れるため、ますます甲状腺に負担がかかります。甲状腺は
新陳代謝を促すホルモンのため、血液の質・配分・循環が低下
するとフル稼働せざるを得なくなり炎症を起こすのです。
 元に戻すためにはまず、脳内から分泌される甲状腺刺激ホル
モンの分泌を抑制する必要があります。つまり脳内にこもった
熱と脳圧の上昇を除去することが不可欠となります。そのため
には脳内の温度(脳温)を下げる必要があります。バセドウ病
を改善するためには家庭療法としての頭部(後頭部、首筋、
ひたい等)の局所冷却法が必須となるのです。
 日本伝承医学のバセドウ病の治療では、のどの炎症を除去
する踵内旋操法と腸の操法(自律神経調整法)を用いることで
症状を緩和させていきます。また肝胆の叩き操法で肝臓の充血(
炎症)を除去し、血液の循環を正常にして脳への血流を改善し
ていきます。2週間に1度のペースでの受診となりますが、急性
症状で心拍
200以上ある場合は、交通での移動がかえって
心臓に負担をかけることになるので、往診診療に切り替えます。

 (のど)は免疫機構の要(かなめ)になります。体が弱り
自律神経系では対応しきれなくなると、人体は喉に炎症を起こ
させて対応しようとします。甲状腺はのどにあり甲状腺ホル
モンを作って分泌させ、ホルモン系での対応を余儀なくさせ
ます。バセドウ病は関所(とりで)である甲状腺機能をもとに
戻すための命を守る対応になります。共存共生していく姿勢
で取り組む心構えが必要です。

※詳細は日本伝承医学のホームページの適応症の項から下記を
 ご覧ください


 ≪参考文献≫ 有本政治:著 

 「甲状腺機能障害の本質~バセドウ病、橋本病、クレチン症、
  甲状腺がん