アトピーとはギリシャ語で意味不明とか原因不明という
意味から、この名称が使われています。まさに難治性の皮
膚病の代名詞のような病気です。アトピー性皮膚炎に悩む
人は近年ますます増加の傾向にあります。有効な治療手段
がないのが現状です。ステロイド系の治療薬は、即効性を
有するものの三ヶ月しか有効性がなく再発してしまいます。
繰り返しの使用は、その副作用と自律神経失調を助長され
る弊害を併せ持っています。
 アトピー性皮膚炎の本体を日本伝承医学的に解説してみ
たいと思います。アトピーを含むすべての皮膚病は、人体
に発生した異常な熱と体内毒素をすてるための人体の正の
対応の姿であります。
アトピー性皮膚炎の患者の遺伝的体質は、呼吸器(肺)と腎
臓機能に弱さをもっているケースが多いと考えられます。
肺と腎臓は人体の熱をすてるシステムに大きく関わる臓器
です。肺は呼吸器を司り、呼く息で有害な二酸化炭素と体
内の熱を体外に排出しています(呼く息は温かくなります)。
肺と密接な関わりのある皮膚も呼気作用をもっていて、皮
膚から二酸化炭素と熱をすてています。

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アトピー性皮膚炎をとらえ直す