なぜ頭部冷却が大事なのか、
やったほうがいいのかがわかる章
人間の脳は最も熱をおびやすい臓器になります。朝起きたと
きに布団よりも枕が一番、熱くなっているのを感じたことがあ
るかと思います。頭が最も熱をおびやすいからです。
脳温(脳内温度)は43度を超えるとタンパク質の成分が固まり
人は死んでしまいます。脳細胞は熱にやられると、目玉焼きの
白身みたいに白く固まってしまいます。一度壊れた細胞はもと
には戻りません。
認知症、記憶障害等の方のMRI(磁気共鳴画像)で白く映る部
分は、脳内の炎症(熱のこもり)が背景にあります。認知症では
なくても、物忘れが多くなったり、記憶がとんだり、ぼっとす
ることがあったり、忘れものが多くなったり、人の名前が覚え
にくくなったり、新しいことが覚えにくくなったりしたときは、
脳に炎症が起きているので就寝時の氷枕での頭部冷却、アイス
バッグでのひたいや首筋の冷却は絶対に怠ってはいけません。
人間には選択的脳冷却機構というものが備わっていて、脳に
炎症が起きるとこの冷却装置が働くようになっています。脳温
が40.5度を超えてしまうと脳を構成するたんぱく質が変異
しはじめ機能障害を引き起こすからです。だから人間の頭部に
は耳、鼻、目、口という穴があって、熱がこもり始めるとでき
るだけ早くこの穴から熱を放出しようと働きます。目の充血、
目の炎症、涙、鼻水、鼻炎、耳だれ、耳鳴り、口内炎、口角炎
、口唇ヘルペス等の症状はすべて、脳内の熱のこもり(脳の炎
症)を除去するために発生しているのです。こうした症状を、
薬等で人為的に封じ込めてしまうことは、脳内の熱の放出先を
失わせてしまうことになるので、熱はさらに深部までこもり、
脳卒中(脳梗塞、クモ膜下出血、脳溢血)等の重篤な病状に移行
する危険性があります。
病状や体に生じる症状のほとんどは脳内の炎症、熱のこもり
から発症します。脳内に炎症が起きると脳の中枢部から発令さ
れる自律神経の働きが大きく乱れ体は不調になります。自律神
経は生きるために必要な心拍、呼吸、血圧、脈拍、睡眠、体温、
代謝、情緒等のすべてを司っているからです。生命維持機構と
しての要(かなめ)の神経であるということを覚えておきましょう。
自律神経の働きを守るためにも家庭療法としての頭部冷却はと
ても大切なことなので引き続き実践するようにして下さい。
脳に熱をおびるとどうなるか・・・・ 日々の生活で過労や心労、疲れや
ストレス、悩み、心配事、人間関係で気をつかう、家庭や職場でいやなこと
がある、いやな人がいる等の感情が発生すると、脳に熱(炎症)がおびやすく
なります。脳の血流が停滞するので、心臓は速やかに脳内へ血液を送り込も
うとするので心臓のポンプ作用がフル稼働し、心臓に負担をかけます。その
結果として不整脈、頻脈、狭心症、息苦しさ、胸のつかえ、胸苦しさ等の症
状を発生させます(不整脈は調整脈といわれ、血流を調整している対応にな
ります)