低カリウム血症
 
 低カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が正常値よりも
低くなった状態をさします。カリウムは心臓の働きや筋肉の収
縮、神経の伝達等に欠かせない重要なミネラルです。そのため
濃度が下がると様々な不調が現れます。

 低カリウム血症は重度になると、筋肉を動かすための電気信
号がうまく伝わらなくなるため、手足に力が入らなくなり、体
が麻痺して動かなくなります。  私たちの筋肉や神経は細胞
の内と外にあるカリウムのバランスを保つことで伸縮していま
す。しかし血液中の濃度が急激に下がると、筋肉が弛緩したま
ま収縮できなくなり突然力が入らなくなります。麻痺が呼吸筋
に及ぶと窒息の危険が生じます。


【糖質を控えると危険】
 糖質(砂糖や甘い物)を控えると、体内のエネルギー代謝やホ
ルモンのバランスが崩れます。ミネラル(カリウムやナトリウ
)の調節機能がうまく働かなくなり、尿と一緒にカリウムが
体外へ排出されやすくなります。その結果カリウム不足となり、
低カリウム血症を引き起こします。

 「心臓はナトリウム(塩分)で動き、糖(砂糖や甘い物)は脳を
養う」というように、適度な塩分と糖分は体にとって欠かして
はならないものになります。
 果物の摂り過ぎは高カリウム血症になり四肢麻痺を招くこと
があります。

カリウムは低くても高すぎてもいけないのです。

【麻黄は低カリウム血症を誘発させる】
 漢方薬に含まれる生薬の麻黄(まおう)には、腎臓からカリウ
ムを外へ追い出す働きがあります。

 麻黄には交感神経を刺激して体を温めたり、気管を広げて咳
を鎮めたりするエフェドリン等のアルカロイドという成分が豊
富に含まれています。アルカロイドは血液中のカリウムを無理
矢理細胞内へ移動させ尿として体外へ排出してしまうので、
低カリウム血症やそれに伴う麻痺発作を引き起こします。
 漢方薬は使い方を誤ったり体質や他の要因と重なると命に関
わる重篤な副作用を引き起こす場合がありますので、服用には
十分気をつけていかなければなりません。
≪参考文献≫ 『日本伝承医学と漢方医学との関連性』  
                  著:有本政治

            発行:有限会社日本伝承医学研究所