周期性四肢麻痺

 手足の筋肉が周期的に一過性麻痺を起こして動かなくなる
病状を周期的麻痺と言います。自分の意識で動かせる骨格筋が
急激に動かせなくなる麻痺発作が特徴になります。就寝時の
深夜から早朝にかけての時間帯に起きやすく、全く動けなくな
る完全麻痺と、軽度の麻痺等、体質体調等による個人差があり
ます。
 自覚症状としては、朝起きたら足が動かなくなり立てなくな
る、手が動かなくなる等、手足に障害が起こります。昨日まで
正常に動いていた体が急激に障害をきたすのでパニック状態に
陥りやすくなります。パニック(動揺、不安、恐怖等)になると
肝臓に血液が集まり、脳が虚血になるので益々症状が悪化し
硬直してしまいます。
 周期性四肢麻痺は遺伝的要因で発症する遺伝的周期性四肢麻
痺と、基礎疾患や薬剤等に起因する二次性周期性四肢麻痺に
分類されます。遺伝子異常による発現は、CN4ACACNA1Sと呼ば
れる二つの遺伝子異常が原因として同定されています。二次的
周期性四肢麻痺は血液中のカリウムが異常をきたす時に発症
しやすくなります。この章では遺伝子要因を除く二次的周期性
麻痺について記載します。

【二次的周期性四肢麻痺】
 誘因となる直接的因子は、精神的ストレス、オーバーワーク
(外出過多、歩きすぎ、動きすぎ)、過労心労、横たわる時間
不足、食生活のバランスの偏り、水の摂取不足等が挙げられます。
生活習慣では水の摂取不足と就寝時間が大きく影響します。
水不足は血液の質を著しく低下させ、血液がどろどろでべたべた
状態になります。一日1.52ルットルの常温の水をこまめに
飲む習慣をつけることが大事です。就寝時間は成長ホルモンの
分泌が活性化される10時~4時迄は横たわるようにします。
 周期性四肢麻痺を始め、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、
ギランバレー症候群等は、脳幹部の熱のこもりにより(脳の炎症)
神経細胞が阻害され、発症していくので、脳内温度を下げること
が重要です。脳内温度(脳温)を下げるためには就寝時の頭部
冷却が必須です(氷枕で後頭部、アイスバッグで首筋を冷やし
ます)。日課として毎日欠かさず実践するようにします。
 周期性四肢麻痺ではカリウムの異常が存在することが判明し
ています。腎臓、肝臓(胆のう)、心臓等に先天的異常や、後天
的弱さが生じると発症します。直接的には腎臓の機能低下(水分
の摂取不足)がみられると、カリウム異常が起きます。
 カリウムは体内に存在する量が最も多いミネラルになります。
細胞の浸透圧を維持調整する働きがあるため、生命維持活動の
上で欠かせない役割を担っています。また、体内に含まれる
余計な塩分を排出する働きがあり、血圧を下げてくれる栄養素
とされています。
 腎臓機能が低下すると、カリウムを尿として排出する働きに
制限がかかり、体内に蓄積させてしまいます。血中のカリウム
濃度が上がり、心臓に負担をかけることになります。カリウム
は細胞内に98%、2%が血液中等にあります。血液中のカリウ
ムはわずかになる為、低カリウム血症になると、筋力低下、
麻痺の他、悪心、嘔吐、痙攣(けいれん)等の症状を発生させ
ます。低カリウム状態が重症になると、四肢麻痺、筋肉痙攣、
呼吸筋麻痺、自律神経失調等の状態に陥ります。高カリウム
血症は悪心、嘔吐、胃腸障害、心臓機能異常等の症状を引き
起こします。つまり、低すぎても高すぎても良くないという事
です。

【日本伝承医学による治療】
 日本伝承医学は「心臓の医学」と言われ、病院や薬も無かっ
た太古の時代より、日本に綿々と継承され続けてきた医術に
なります。肝心要(かんじんかなめ)と言われる心臓と肝臓
(
胆のう)機能を高め、脳の虚血を回避し脳への血流を改善し、
阻害された神経細胞を活性化していきます。神経可塑性を促す
ことができるため、周期性四肢麻痺等の神経難病には著効を
示します。

 骨伝導を介して、造血幹細胞にスイッチを入れることができ
るので、阻害された神経伝達が複製されます。神経症状の場合、
1~週2回毎の受診になります。薬剤等の化学物質は、自己
免疫力を低下させるので極力避けるようにします。刺激過多に
なりますので、他の整体との併用は避けます。良かれと思って
服用されている漢方薬等が体質に合わず却って良くない場合が
ありますので服用の際には担当の臨床士に御相談下さい。