私は自分の体験を生かし、さまざまな病気や症状で苦しみ、悩んでいる人たちの
手助けをしたいと思った。そして今、彼女と共に日本伝承医学の家庭療法の普及に
努めている。出勤前とお店が終わったあとの夕方からは、訪問ケアとして、自宅療
養されているかたがたのお宅へ伺わせていただいている。
ごく簡単にできてあたり前なことだけど、知っておくと必ず病気のときに役に立つ。
日本古来から伝わってきた日本に根付いた、家庭でできる医学が日本伝承医学なの
である。
彼女は訪問ケアを共にするかたわら、カウンセリングルームの室長も務めている。
人の苦しみ、悲しみを自分のことのように受け止め、発してくれる彼女の言葉のひ
とことひとことには、多くの人が助けられている。淡々とせつせつと語ることばは、
まるで言霊(ことだま)のように相手の心に響いていく。素直にしみこんでいく。
彼女がいつも言う。
「健康とは心が健やかでいられること。体に障害を負っても病気になって体が不自
由になっても、最後のときまで心がすこやかでいられること。」
それが健康だという。
私の肉体は、まだ完璧ではない。生理のときには、頭痛も時々起きる。出血時に
は貧血でめまいもする。だけど私は今、自分は自信を持って健康であるといえる。
健康とはいつまでも心すこやかでいられること。出会った方々の健康を願って、私
は、元気に仕事をさせていただいている。
平成十六年十月十二日
清水香枝