脈圧~血圧計の見方


血圧とは「血液を流す力」のことをさします。人は年齢と共に体力や生理機能
が低下していくのと同じように、心臓機能も弱っていきます。若いころに比べ
て血管の弾力性が失われ血流が悪くなっていく為、体は速やかに血液を回そう
とし、心臓の収縮力を高めます。血液を送り出す際の最高収縮値が、血圧の上
の数値になるので、加齢と共に血圧が高くなっていくのは自明の理になります。
昔は血圧は年齢に90をたした位で丁度良いと言われていました。近年血圧の
ガイドラインが新しくなり、130を超えたら高血圧と診断する規定ができまし
た。若い人も高齢の人も同じ基準で健康を測るというのは何ともおかしな話で
す。100メートルを昔と今で同じ秒数で走れる人はいません。体の力(たいりょ
)というものは白髪やしわができるのと同様に、老化と共に落ちていくから
です。

血圧を測るときに上の血圧と下の血圧がありますが、数値ばかりに気をとられ
てしまい、最も大事な上と下の差を気にとめない方が多くみられます。大事な
のはこの上下の差になります。上の数値は、血液を心臓から全身に送り出す時
(
収縮時)の血圧で、「収縮期血圧」と言います。心臓の左心室から押し出され
た血液は動脈に一気に流れ込むため血管には最も強い圧力がかかります。この
数値が年齢プラス90あっても大丈夫と言うことです。それ以上高くても、その
時の体が必要として上げているのでむやみに降
圧剤で下げてはいけません。
血圧の数値をはね上げて血液を一刻も早く体の隅々まで回そうとしているのに、
それを薬剤で下げてしまったら、数値は下がっても、心臓機能を著しく低下
させ脳への血流を阻害し脳障害を引き起こしかねません。体はその一部だけを
みるのではなく全体との関連の中で捉えていかなければならないのです。

血圧の下の数値を「拡張期血圧」と言います。全身から戻ってきた血液を貯め
て膨らんでいる時(拡張期)の血圧を言います。拡張期には血管にかかる圧力
は最も低く、血圧は最小の数値になります。この収縮期と拡張期の血圧の差を
「脈圧」いいます。つまり上の血圧と下の血圧の差のことになります。この
脈圧は4060位であることが望ましく、脈圧は小さすぎても多きすぎても良く
ありません。脈圧の数値は、血管に柔軟性があり、血液が正常に循環している
ということを示しています。日本伝承医学の治療は心臓の医学と言われる学技
で構築されている為、心臓機能を高め脈圧を正常に復することができます。

血圧を測る時に同時に心拍数が表示されますが、これは1分間に心臓が拍動す
る回数になります。6090位が好ましいのですが、活動後や緊張したり不安、
ストレスを受けた後は心拍数も高めになります。血中酸素濃度が低く、隅々
まで酸素が行きわたっていない時も心拍数は高くなります。拍動を上げて、
いち早く身体の隅々まで血液を循環させようと体が働くからです。

()血中酸素濃度とは、血液の中に含まれる酸素濃度を示す数値で、パルス
オキシメーターで計測されます。9899は正常で、9697は注意を要します。
95以下になると酸素が充分行きわたっていないことになり息苦しくなります。
私たちの体は呼吸によって酸素を体内にとり込みます。その酸素の多くがヘモ
グロビンと結びつき酸化ヘモグロビンとなって全身へ送られます。酸素が足り
なくなると全身にエネルギー不足が起こり、息苦しさの他、頭痛、動悸、めま
い、倦怠感、不眠症、集中力低下、視力低下、不安症、しびれや麻痺等の様々
な症状を生じさせます。日本伝承医学では血液の循環・配分・質を整えていく
ので、こうした症状も改善することができます。