(3)目と肝臓との関連
  目はその人の精神状態をいちばんあらわす場所になり
 ます。目を見ればわかる。目つきが悪い。目が死んでい
 る。目に力がない。目が泳いでいる。「目は口ほどにも
 のを言う」等、まさに“目は心の窓”ともいわれています。
 日本伝承医学の診断においても、目の表情を見ただけで、
 その人の生命力、病状、精神状態を一瞬にして判断する
 ことができます。
  現代人の目の酷使、脳の酷使は言うまでもありません
 が目や脳に内熱を発生させる最大の要因は、肝臓の機能
 低下にあるのです。肝臓の機能低下は、精神的緊張、心
 労の持続といういわゆる精神的ストレスに起因していま
 す。精神的ストレスは、いっきに肝臓に血を集め肝臓の
 充血を引き起こします。人体中大きな臓器である肝臓が
 血液をうばうことは、全身の血液の配分を大きく狂わせ
 る要因となってきます。
  漢方医学の古典の中に「肝は目に開きょうする」と記
 されているように肝臓の機能低下は、いちばんに目の症
 状としてあらわれてきます。

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