日本伝承医学における眼の疾患は、単に局所の症状とし
てとらえていくのではなく、全身の血液の「循環・配分・
質」のバランス異常から生じるという基本認識に基づいて、
脳や肝臓との関連の中からとらえています。 
 眼という存在は、頭部において脳に次ぐ大きな固まり
(球)になります。ゴルフボールが2個収まっていると考え
てもよいでしょう。眼球というものは例えれば、脳みそが
マヨネーズの口から球状にしぼり出た存在になります。
故に脳との関連は実に密接です。眼球は脳と同様に、“熱”
がこもりやすい性質をもっています。
 病気のすべては、内熱と炎症という形であらわれてきま
す。機能低下が起こると、熱を発生し、炎症を起こすこと
で回復しようとはたらくのです。回復すれば速やかに熱を
放出しなければなりません。眼の病気も同様で、内部の熱
をいかに捨てていくかが問題になってきます。


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眼の疾患をとらえ直す