【めまいが起きた時の対処法~めまいを起こさないようにするには】

 

めまいにはふわふわした感じのめまいと、ぐるぐるまわるめまいと、がーん
とくるようなめまい等があります。

これらのめまいは全身の血液の循環・配分・質の乱れから脳に虚血(きょけ
つ)が起きることで発症します。

血液の循環・配分・質の乱れを改善するためには、肝臓の充血を除去すると
共に、心臓機能を上げていく必要があります。日本伝承医学では、肝心機能
(肝臓心臓機能)を高め、血液の循環・配分・質を整え、脳への血流を促し
て脳の虚血を除去していきます。これにより体はめまいを引き起こさなくて
もよくなっていきます。家庭療法としての局所冷却法、運動法も大事なので
合わせて毎日実践していくようにします。

 

≪めまいが起きたときには≫

脳への血液の循環を確保することが一番に必要なので、まず首筋、後頭部を
冷却しながら横になります。外出先の場合は、アイスバッグで首筋を冷やし、
椅子に腰かけます。近くに椅子がない場合は、道の端に寄り、楽な姿勢で
おしりを地面につけて座ります。横になれる場所があれば横たわります。
めまいが起きた時は立位の姿勢から身体を速やかに開放する必要があるので、
恥ずかしがらないで外でも行なうようにします。買物時や外出時には常に
アイスバッグを持つ習慣をつけていきます。首筋の冷却によって、高速に
脳へ血液を回すことができるので覚えておいてください。

 

脳の虚血が改善されてめまいがおさまれば救急車は呼ばなくても大丈夫です。
呼吸が困難になり、顔色が真っ青になり、呼びかけにも応じなくなっていた
ら救急車を呼びます。救急車が来るまでの応急処置として、近くにAED
(自動体外式除細動器)があればスイッチをいれて音声ガイドに従って操作
していきます。いつもと違う、何かおかしいと思ったら、周りにいる方に声
かけして助けを求めてください。

 

≪めまいを起こさないようにするには≫

夕食は就寝時の56時間前にはとるようにします。11時に床につく場合は
夕方6時までには夕食はすませることになります。食べ終えてから23時間
後に寝てしまうと未消化のまま寝ることになります。夜間就寝時に胃に消化
のための多量の血液をとられてしまい、肝臓へ血液がまわらなくなくなり、
肝臓で解毒が行なわれないまま翌朝を迎えてしまうことになります。つまり
翌朝から血液の循環・配分・質が乱れたまま一日を送ることになるのでめま
いを起こしやすくなります。食事は一日2回が好ましく、体が活動する朝食
と昼食におもきをおきます。夕方おなかがすいた場合は、消化に良いごく
軽い程度のものを食するようにします。

就寝時には氷枕で後頭部を冷やし、アイスバッグを用いて首筋、ひたい、
肝臓等を冷却します。就寝時は脳内温度が上がるので夜間にしっかり氷枕で
冷却することで脳温が下がり脳の炎症を防ぐことができます。秋から冬に
かけて、また、冬から春先にかけては足元は湯たんぽで温め頭寒足熱
(ずかんそくねつ)の原理で、寒い時でも頭部は冷却していくようにします。

 

≪動作はゆっくり≫

急に頭の向きをかえたり、目(眼球)を動かしたりしないようにします。
上を向いたり、下を向いたり、横を向いたりしたときにめまいは起きやすく
なります。寝がえりを打ったり、横になる姿勢をとったり、立ち上がる時
にも起きやすくなります。頭を動かす動作や、立ち上がったり寝たりする
動作も、首を振らない様に静かにゆっくり行なう習慣をつけていきます。
日常生活は常にゆっくり静かに太極拳を行なっているような感じで過ごして
いくと良いです。集中して何かの作業をしたり、パソコンやスマホの画面を
見たりしている時にも起こりやすくなります。食事の支度をしているときも、
調理時の温度で厨房内一帯の温度が急速に上がり、めまいは起きやすくなり
ます。

 

体にゆがみやねじれが生じている場合もめまいは起きやすくなります。心臓
から送り出した血液が、身体にゆがみがあると、脳内にうまく血液が循環
できなくなるからです。下部(骨盤や股関節)や脊柱にねじれのゆがみや
変形があると、脳脊髄液も正常に還流できなくなります。脳脊髄液は頚椎
から頚髄、延髄へと循環されて脳を養っているので、人体の下部構造にゆが
みが生じると血液だけではなく脳脊髄液も脳内へ循環されなくなり、脳の働
きが悪くなります。体はその部位だけではなく、全体との関連の中でみて
いくことが大事です。

 

≪平衡感覚に乱れ≫

私たちの体には平衡感覚を保つ仕組みが備わっています。

      ※平衡感覚を司る所⇒内耳の三半規管(体の回転を感知)と
       耳石器(体の傾きと重力を感知)   

脳の虚血(血液不足)によりこの平衡感覚機能に支障が生じるとめまいが
発症しやすくなります。各組織は血液で働くからです。気温差や気圧の変動
でも平衡感覚機能に異常が起きていきます。急激に冷え込んだり、朝と晩の
気温差が10度以上ある時、季節の変わり目にも、身体が適応できなくなり、
めまいが発症しやすくなります。めまい時には脳が血虚状態になっているの
で、肝心機能を高め血液の循環・配分・質を整えることが必要です。めまい
が発症しやすい時期は、隔週か週1回のペースでの受診が望まれます。治療
院まで来られない場合は往診も受け付けていますので御相談下さい。

 

≪血液の質の低下≫

めまいが起きやすいかたは血液の質が低下して、血液がドロドロでベタベタ
の状態になっています。お水は一日1.52リットルは飲むようにします。
お水が足りないと肝臓機能だけでなく、腎臓機能も低下し、血液はますます
ドロドロになってしまいます。

 

私たちの体は食べたもので作られていきます。健康は食するものによって
大きく左右されていくのです。めまいを起こさないように、血液をサラサラ
にしていくためには、油っぽいものや刺激物、消化に良くない物は
控えます。
揚げせんべい、カレーライス、ラーメン、牛肉等の肉類、いためもの、ピー
ナッツ、パスタ、天ぷら、フライもの、キムチや唐辛子等の辛いもの、ポテ
トチップやスナック菓子は控えます。サラダでも既製品のドレッシングの
かけすぎは良くないので気をつけていきます。

 

≪運動法≫

歩行、つま先立ち、腕立てふせ、よつんばい運動等、家庭療法として自分で
無理なくできるストレッチや運動法は毎日行なうようにします。女性は
40
から一気に筋肉が萎えていきます。ゆっくり少しずつ時間をかけて閉経の
準備に入るからです。筋肉は内臓を守り、血液を循環させる働きがあります。
特にふくらはぎや二の腕の筋肉は心臓のポンプ機能を助けてくれる働きを担っ
ているので、つま先立ちや腕立て伏せは大事な基本の運動法になります。
めまいが起きやすいひとは、ここの筋肉がなえてしまっているので自宅で
毎日行なうようにしていきます。運動法やストレッチは個人の体調によって
差がありますので、担当の臨床士に相談してアドバイスを受けながら行なう
ようにしてください。

 

≪日本伝承医学の治療≫

日本伝承医学の治療では、全身の血液の循環・配分・質を整え、脳への血流
を改善し、肝臓、心臓機能を正常化することができます。体のねじれのゆが
みを修復していくので脳脊髄液の還流を促し、脳内環境を良くする事ができ
ます。