家庭療法としてのリハビリテーション

 

体が弱って衰弱すると筋肉が萎えてきます。筋肉からエネルギーをもらい、
そのエネルギーを生命維持の為に使っていくからです。故に単に体重だけを
増やすことに意識がいってはいけません。胃も腸も弱っているところに無理
して食物を入れようとしても、身体は拒絶反応を示してしまします。体力(
の力とは免疫力と生命力の事)をつけるためには、筋肉を少しずつとり戻さな
ければならないのです。

 

【水中歩行が大事】

水の中では浮力が働くため、陸上で歩くよりも体への負担が軽くなります。
長期入院や摂食障害等で体重減少してしまった場合、水中歩行で少しずつ筋
力をとり戻していくことが大事です。また、水中ではひざや腰への負担が少
ないため、腰痛や股関節痛等の症状も改善していくことができます。

 

水中では体温が奪われやすくなるので、体温を一定に保とうと体が働くため、
体温調節機能が高まります。また水中では水圧がかかることによって、下肢の
血液循環がよくなり、心臓のポンプ力を助けることができます。水中歩行は
心臓に負担をかけることなく全身運動ができる唯一のリハビリ療法となります。

 

水温が24度以下の水は体温が急速に低下してしまうので、リハビリのための
水中歩行の場合は、水温が28度~30度位はあることが必要です。水に入る前
には10分程度の十分な準備運動を行ないます。水中歩行は、自分に見合った
速度、歩幅で約15分~30分位行ないます。泳ぎたい場合は、水中歩行をした
後に行ないます。体に負担がかからない泳法は背泳ぎになります。腰痛や股
関節を痛めている方は、平泳ぎは避けます。心肺機能が弱い方は、クロール
をするとかえって苦しくなってしまいます。

 

現在は病院や療養施設、湯治場でもリハビリのために温水プールを併設して
いる所が多くなってきました。それだけ水中歩行の重要性が認識されてきた
ということです。日本伝承医学では、体力を取り戻すために水中歩行を推奨
しています。その他、日常生活(食・息・動・想・眠)を見直し、各人に合った
プログラムを立てて、無理のないように指導していきます。                           

日本伝承医学治療院