〈骨の特性を生かした技術〉


 骨は「圧」に対していちばん敏感に反応する組織であり、“骨伝導”
の性質によって瞬時に全身に波及します。人体中、最も「圧」に対し
て敏感な場所は足です。特にかかとの骨がいちばん反応します。かか
とを落下させることでかかとの骨に圧がかかり、瞬時に骨伝導を介し
て全身に伝達します。さらに“圧電効果”として骨に電気が発生しま
す。ひとりでできる家庭療法では、骨に圧を加える技術が主体になっ
ています。
 骨に圧が加わると電気が発生します。人体の一方の極である足に電
気が発生することで、頭との間に電位差が生じ、全身の電気の流れを
瞬時に変えていきます。人体内の電気レベルが高まると、細胞の内・
外の電位差を作り、全身70兆の細胞を活性化できるのです。
 また、骨に電気が流れることで骨髄を刺激し、生命維持のための最
重要物質であるカルシウムの濃度をコントロールし、造血幹細胞の働
きを高めることが可能になります。免疫機構の総本山とよばれる骨髄
機能が上がるということは、免疫力が高まり、病気治しの根元に働き
かけることができます。
 これまでの治療の概念と大きく異なる日本伝承医学の学技の根本原
理をしっかりと把握していただき、家庭療法として御活用ください。

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