〈安全でシンプルな技術〉


 日本伝承医学のひとりでできる家庭療法は安全でだれもができる操
法です。自宅療養されているかたや病床に伏しているかたでも行なえ、
充分に効果を発揮し得る技法になります。それは、骨の概念を根底か
らとらえ直しているからです。
 日本伝承医学の技術は、骨に圧をかけることで人体に電気を発生さ
せていきます。人体内の電気物理は、外部からの大きな電気に反応す
るのではなく、微弱なわずか10マイナス5乗〜10マイナス17乗程度の
電気量、磁気量に反応する生理機能を有しています。
 骨をたたいたり、かかとを落下させてあげることで簡単に電気を発
生させることができるのです。骨に電気が流れれば、骨髄機能を働か
せ、免疫力、生命力を高めていくことができます。骨髄の中だけに存
在している造血幹細胞にスイッチが入るため、病が重篤になればなる
ほど、効力を発揮します。
 日本伝承医学は、古代人が大事にしていた骨の重要性を再認識し、
骨の概念をとらえなおす中から生まれた「骨の医学」ともいえます。
また、手や足の角度をとったり、手指の形を作ることで、人体電気の
分布と流れを変えることを主眼に構成された「形の医学」ともいわれ
ます。
 日本に古来から綿々と引き継がれてき英知のの数々を、家庭療法と
して日常生活の中に取り入れ、身体を再考するきっかけとなっていた
だければと願います。

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