脳内物質のほとんどは肝臓で作られています。
精神的ストレスの持続は、肝臓に充血をおこし、肝機能を低下させ
ていきます。肝機能がおちれば、全体をつかさどる腎機能も低下し
ていきます。
腎が弱るということは、全身的問題であり、細胞のひとつひとつが
生命力を失うことになります。身体を生理活性化できない状態(腎
虚じんきょ)が続けば、免疫力がおち、様々な病や症状を発生させ
ていきます。
腎虚とは、漢方医学における概念であり、単に腎臓の生理機能の低
下のみならず、全身の生理機能の低下をも意味しているのです。
 また、腎臓と膀胱は表裏の関係にあり、腎機能が弱るということ
は、当然膀胱機能にも影響を及ぼします。膀胱の機能低下は、尿道
の開閉機能に影響し、尿失禁、夜尿症等の症状を引き起こします。
 日本伝承医学では、肝の叩打法、個別のふり操法を行うことで肝
臓、腎臓の機能を改善させることが可能になります。また、内部に
生じた熱を速やかに取り去るために、肝臓、腎臓部の局所冷却を行
うことをおすすめします。神経の伝達物質は、ほとんどが肝臓で作
られていることから、精神の疲労は即座に肝臓に充血、炎症を引き
起こします。疲れや精神的ストレスもできるだけ内向させず、初期
のうちに速やかに取り除いていくことが大切です。


                  2004.8.4   日本伝承医学研究所            
                     
肝・腎の関係〜尿失禁・夜尿症