寒暖差疲労について

【発熱をとらえなおす】細菌やウィルス等が人体内に入ると発熱しま
すが、この熱を解熱剤等で下げないようにします。
人の体は38.238.4度の高熱で免疫にスイッチが入り、高熱によって
細菌やウィルスを退治してくれるからです。解熱剤や抗生物質等を用
いてしまうと免疫が発動されないまま無理矢理熱が冷まされるので、
免疫機構の要(かなめ)が破壊されてしまいます。高熱の時は後頭部や
首筋、ひたい等を氷枕とアイスバッグで冷却しできるだけ
横たわり、
3~5日間ゆっくり養生するようにします。
()有本政治著:『発熱をとらえなおす』

【人間は恒温動物】外界の温度変化に関係なく常にほぼ一定の体温を
保つことができる動物を恒温(こうおん)動物と言います。
人間は体内温度を36度~37度の一定温度に保つことで生存を可能に
しています。体温調節の中枢は脳幹部(間脳の視床下部)にあり反射的
に調節され体温が一定に保たれています。しかし加齢と共にこの体温
調節機能は低下していきます。また心労やストレスで脳幹部に熱が
こもると自律神経のバランスが崩れてしまい体温調節機能が低下し、
寒暖差にうまく適応できなくなります。本来の恒温動物としての機能
が失われ、まるで変温動物になってしまったかのように温度差に
ついていけなくなってしまうのです。

 【寒暖差疲労について】気温の寒暖差が大きいことにより自律神経
の働きが乱れ、体が極度に疲れてしまうことを「寒暖差疲労」と言い
ます。気温差が激しいと自律神経が過剰に働き、多くのエネルギーを
消耗して疲労が蓄積していきます。疲労の蓄積は倦怠感、頭痛、
めまい、不眠、無気力、集中力の欠如、情緒不安等の様々な症状を
発症させます。日本伝承医学では、このような症状を改善し自律神経
のバランスを保つために自律神経調整法を用い、家庭療法として後頭
部、肝臓の局所冷却法推奨し著効を示しています。

室内と室外との気温差は7度以内であることが望ましく、それ以上ある
場合は上着の着脱でこまめに体温調節をするようにします。屋外から
冷房の強いスーパーや電車に乗る時は要注意です。わずか5分位の間
でも寒暖差疲労は発症します。7度以上の温度差は体に強いストレス
を与え自律神経のバランスを大きく乱すことになります。

昨今の夏は人体の基礎体温(36.5)を超える3840度近い日々が
続きますが、人間は体温を超える温度環境で暮らすと生理機能を大幅
に乱してしまいます。寒暖差疲労にならないためには、疲労を蓄積
しないように十分な睡眠と休養が必要です。不規則な食生活、栄養
の偏り、運動(歩行)不足も寒暖差疲労を発症させるので気をつけて
いきます。