≪腎腫瘍≫   

腎腫瘍には良性と悪性があります。良性のものには腎のう胞や腎血管筋脂肪
腫があります。悪性のものには腎細胞がん(腎がん)、腎盂がんがあります。
がんは最終的な対応の手段であり、一方的に悪と決めつけるのではなく、共
存共生としての選択肢もあります。がんについては日本伝承医学のホームペー
ジの日本伝承医学の生命観・疾病観の項目から入り、がんを捉えなおすの項
をお読み下さい。

ここでは腎のう胞と腎血管筋脂肪腫について説明していきます。

【腎のう胞】

腎臓に水たまりの様な液体の袋状のものができます。自覚症状はなくほとん
どが超音波やCTでみつかります。臓器というものは機能低下すると炎症を起
こし熱を帯びます。のう胞は、その炎症を除去しようと体が働き、天然に冷
やすための水袋を作っていきます。これがのう胞と言われるものになります。
やけどをした時に水ぶくれができて急速にその部位を冷やそうとする働きと
似ています。

機能回復し炎症がおさまれば、のう胞は自然に小さくなっていきます。のう
胞は腎臓にできれば腎のう胞、肝臓にできれば肝のう胞、脳内にできれば
くも膜のう胞等、できる部位は様々になりますが、ほとんどの場合、症状は
なく、経過観察になります。


()くも膜のう胞の詳細は日本伝承医学のホームページの日本伝承医
  学心療科の項目から「くも膜のう胞」
1)と(2)を参照下さい。

のう胞があるかたは、日本伝承医学で推奨している局所冷却法を毎日家庭療
法として実践していくことで症状を緩和していくことができます。なぜなら、
氷を入れたアイスバッグで患部を冷却することによって、臓器内に発症した
炎症を速やかに除去していくことができるからです。炎症がしずまれば熱を
帯びなくなり、体はのう胞を作らなくてもよくなります。

(参)『局所冷却法』の詳細は日本伝承医学のホームページの「日本伝
承医学の生命観・疾病観」の項目から入り、日本伝承医学家庭療法
の項をご覧ください。初診時に局所冷却法についてのやり方を説明
し、小冊子をさし上げています。


【腎血管筋脂肪腫】

腎血管筋脂肪腫とはその名の通り、血管と筋肉と脂肪からできた良性の腫瘍
になります。腎臓は心臓から送り出された血液の
4分の1が送り込まれ、その
血液をきれいにするための「ろ過装置」になります。ろ過された液体の原料
が尿となり排出されていきます。大人は一日約
1.5リットルの尿を排出してい
くので、一日
1.5リットルの水の摂取が必要になります。毎日の水を飲む量が
足りていないと、腎臓はやることがなくなり、役目をさぼり、機能低下して
いきます。

 

腎臓機能が低下すると老廃物をうまく排出できなくなったり、逆に必要なた
んぱく質を尿として排出してしまったりと、本来の機能が破綻していきます。
腎臓機能が低下する前に、背景としては、ストレス、心労、過労、食生活の
不摂生、睡眠不足による肝臓、胆のう機能の弱りがあります。胆汁(たんじ
ゅう)が分泌不足になり血液がドロドロになっているのです。

 

私たちの体や血は食べたもので作られていきます。外食やお弁当、ファース
トフード、肉類等が多いと、食のバランスが崩れていき、血液がドロドロに
なってしまいます。血液がドロドロになり血液の質が低下してしまうと、連
鎖して血液の循環・配分にも乱れが生じます。体は、血液の質・循環・配分
によって健康が保たれているので、これらの調和が崩れてしまうと、各臓器
に支障をきたしてきます。特に、胆のう。肝臓、腎臓、心臓に負担がかかり
病気を発症させていきます。毎日の食事はとても大事だと言う事です。

血液の質が低下しドロドロになってしまうと・・・

 

血液がドロドロで、血液の質が低下し、きたない血液が腎臓に送り込まれて
しまうと、ろ過するのに非常に腎臓に負担がかかっていくことになります。
それでもろ過し続けなければならないので、腎機能が落ちないように、熱で
やられないように体は腎臓に脂肪の固まりを作っていきます。脂肪には熱を
冷ましてくれるサーモスタットの働きがあります。また、脂肪というおもり
を作ることによって、腎臓を鼓舞して働きを助けようとします。腎臓は振ら
れることによって機能を維持していく臓器なので、振り子のように左右ふた
つあり、ぶらさがっているのです。ここに脂肪のかたまりができれば、振り
子としての役目が補助されることになります。

体はこのように、弱りや不調な個所が発生すると、その命を守る為にありと
あらゆる手段を用いて、正への対応をします。水ふくろであるのう胞も、
脂肪腫も、正への対応の姿と言えます。

 

()水下痢が何度も続く場合

 

本来腎臓でろ過して尿として排出されますが、脳内温度が常に高い場合、も
しくは自律神経のバランスが乱れている場合は、尿としてではなく、水下痢
としての対応を体はとっていきます。脳温をさげるために急速に大量の水を
小腸が必要としているので、腎臓でろ過してゆっくり尿として出している場
合ではなくなるからです。以下にもう少し詳しく説明していきます。

 

水下痢が昼夜限らず一日に何度も続く場合は、脳内の熱をとる対応と考えま
す。ストレスや心労で、常に交感神経が緊張している人に多くみられます。
交感神経が緊張していると、自律神経のバランスがみだれ、脳内に熱を帯び
やすくなります。眠りの質も低下するので睡眠がとれなくなります。眠れな
くなります。体は眠れなくさせて、夜間も水下痢をさせて脳温を下げるよう
に働くのです。人は就寝時に最も脳内温度が上昇していきます。朝起きると、
布団より、枕が温かくなっているのはそのためです。故に就寝時の氷枕での
冷却が必要になります。

 

脳内は熱に最も弱い臓器と言われ、体温が40度でも脳温が42度まで上がって
しまう場合があります。42度は危険な状態で、脳内温度は43度で人は死にま
す。つまり、脳内温度が上がると命にかかわるので、人体は昼夜に関わらず
水下痢を起こさせる事で、脳内の熱を速やかに抜いて命を守ってくれている
のです。

 

≪小腸は第二の脳、リトルブレイン≫

小腸は第二の脳、リトルブレインと言われます。脳内物質のセロトニンの90
は脳ではなく、小腸に存在しています。脳と小腸は相似の関係にあり、互い
に関与し合って働いているのです。水下痢をさせて、小腸に大量の水を通し
て小腸の温度を下げることで、脳内の温度を下げているのです。つまり水下痢
には脳にこもった熱を除去し脳温を下げる働きがあるので、整腸剤等で止め
てはいけません。体は意味のあることを天然におこなってくれているからです。