今知っておくこと ~新型コロナウイルス感染症~2020.4.24.有本政治


ウイルスとは何か、と聞かれて答えられるでしょうか?
ウイルスと細菌は違います。細菌は、ひとつの細胞を持つ単細胞生物です。人体に
侵入して害を起こす細菌もありますが、人間にとって有用な細菌も存在します(乳酸菌、
納豆菌等)。

細菌に比べウイルスは、50分の1位の大きさしかなく、非常に小さく、自分では細胞を
もちません。故に他の細胞に入り込み、増殖して生きていくのです。3万種程存在する
とも言われているウイルスの中でも、これまでにない感染力、増殖力をもつのが、新型
コロナウイルスになります。


【新型コロナウイルス】

新型コロナウイルスはこれまでのウイルスとは違い、感染力、寄生力、増殖力が非常
に強いウイルスと言えます。ウイルスの語源が「毒液」と言われるように、新型コロナウ
イルスは、まさに、人体の細胞内に侵入し増殖する「毒」と言えます。
以下新型コロナウイルスを、ここでは毒と表現していきます。

同じ毒が人体に入っても軽症の人と重症の人がいます。解毒(げどく)作用の強い人は
免疫力が高い人になります。免疫力が高い人は、造血力(ぞうけつりょく)と細胞新生力
(しんせいりょく)が強い人になります。造血力と細胞新生力が高ければ、毒が体内の
細胞内に入っても、毒を排出する力(解毒作用)が強いため、軽症、もしくは無症状で
すむのです。

造血力とは免疫力、細胞新生力とは生命力のことをいいます。つまり、新型コロナウ
イルスに感染しないためには、もしくは感染しても、重症化させないためには、免疫力
と生命力を、低下させないようにすることが大事なのです。

では免疫力と生命力を低下させないためにはどうしたらいいのでしょうか?
それは睡眠不足にならないことです。人間は横たわる時間(睡眠時間)が短くなると、
心臓が弱っていきます。立ってる時間、椅子に座っている時間が長ければ長いほど、
心臓に負担がかかるからです。重力が常にかかるため、脳内手足末端迄血液をまわ
すのに心臓のポンプ力がフル回転しなければなりません。常に稼働している部位には
熱を帯びます(オーバーヒート状態)。心臓に熱を帯びれば、心臓を包み込んでいる肺
にも炎症がおきます(肺炎)。肺に炎症を起こし血液を集め機能回復をはかろうとするの
です。

体は横たわることによって、はじめて重力から解放されます。横になっているので、心
臓に負担なく、楽に血液を脳内手足末端まで行きわたらせることができます。人間の
体は一日の終わりに、横たわり眠ることによって、一日の疲れをとり、疲弊した脳や
心臓、肺、肝臓、腎臓等の修復作業に入るよう構築されています。横になる時間が短
いと、修復できないまま、次の日の日程をこなすことになります。この連続が、疲れを
ためこみ心臓に負担をかけてしまうのです。就寝時に氷枕で頭部冷却することも大事
です。疲弊した脳内は熱を帯び、脳内温度(脳温)が上昇しているので、睡眠中に脳温を
下げてあげます。

免疫力と生命力を低下させないためには、血液を循環させるための水の摂取も重要
になります。水は生命源であり、水のない所には生命は発生しません。人間は、水が
不足すると、血液や体液がどろどろになり、造血力と、細胞を新生する力が低下して
いきます。ウイルスに感染しないためには、常に水の摂取を心がけなければなりませ
ん(目安として1日1,5~2リットル必要)。水が不足すると、血液がどろどろになってしま
うので、腎臓機能にも負担がかかります。どろどろの血液では、ろ過できなくなるから
です。


【微熱は下げてはいけない】

人体は約38.3度の高熱で免疫力が発動します。免疫発動を起こし、白血球を増やし
回復を図ろうとします。細菌に感染した場合は、38.3度以上の高熱が出やすく、免疫
発動が起きやすく、3日~5日養生していればほとんどの場合回復に向かいます。
しかし今回の新型コロナウイルスの初期段階では36.9度位~37.3度位の微熱しか出
ない場合が多く、ほとんどの方が気付きません。またPCR法(核酸増幅法)を申し込んでも
受けることができません。問い合わせても、37.5度になったら連絡してください、と言わ
れてしまう事例が多々報告されています。

初期段階で微熱しか出ないのは、新型コロナウイルスが、体内で増殖しやすいように、
免疫発動が起こる高熱を出させないようにしているのです。ウイルスも生き延びるた
めにいきなり高熱は発症させず、微熱が出ている間にどんどん増殖し、仲間を増やし
ていくのです。

この初期段階の微熱で、解熱剤等を用いて熱を下げてはいけません。人体は体内に
ウイルス等の外敵が侵入してきた時点で熱を出し、血液の成分中の白血球を増やし、
細胞内での増殖を防ごうと働くからです。白血球はウイルスを排除する免疫システム
の要(かなめ)なのです。

初期の微熱の段階で人為的に下げてしまうと、人体の免疫機構が作動せず、いつま
でもウィルスが細胞内に寄生し、住み続け、2~3週間位かけて、じわじわと、ウイルスを
増殖させてしまうのです。つまり解熱剤で抑え込むということは、ウイルスが住みやすい
環境を手助けしているといえます。

ウイルスは増殖しつくすと、人体細胞内を占拠し、38.5度~39度位の高熱を発症させ
ます。この時点で人体内に備わっていた免疫発動のシステムはウイルスによって破壊
されてしまうのです。高熱になった時点で、病院では高速に解熱処置に入ります。そう
すると体は、最後の熱排出のとりでを打ち破られるため、心臓と肺に熱をもたせ、炎症
を起こさせウイルスと闘おうとします。免疫力が低下している人、また、遺伝的に心肺機
能が弱い人は命が尽きてしまうのです。


【微熱時の対処法】

36.9度~37.3度位の熱ならば、氷枕で頭を、アイスバッグで首筋やひたいを冷却し、
横たわり養生していれば徐々に回復していきます。初期段階の微熱で安易に解熱剤
を用いないことです。高熱と判断し解熱剤や座薬を用いる目安としては、38度後半の数
値と考えて下さい。

40度近くの熱を発症すると脳内温度(脳温)が一気に上昇していきます。脳内細胞の
たんぱく質凝固が始まり、脳温は43度で死に至ります。高齢者や病気の方、免疫力
が低下している方、赤ちゃんや子どもの場合は、38度後半から急変する場合がある
ので、注意して容態をみていく必要があります。


【新型コロナウィルスの特徴】

新型コロナウイルスの特徴としては、始めは高熱ではなく、36.9度~37.3度位の微熱
が出る場合が多くみられます。喉に違和感が生じ、たんがからんできます。微熱が出た
り下がったりする状態が2~3週間余り続くため、だるさや味覚、臭覚障害、咳や息苦
しさ、倦怠感が長引きます。新型コロナウイルスは増殖力が強く、いつまでも体内に
とどまるため、違和感は3~4週間続く場合があります。体に不調を感じたら、仕事や
家事を制限し、できるだけ横たわる時間を長くとり養生することです。熱や炎症を速や
かに除去するためにも、氷枕とアイスバッグでの冷却は必ず行なうようにしてください。