院長の日記 2014年10月25日

人の体のナゼとワケ ~ 生理痛および生理時の諸症状のワケ

生理痛には、子宮(下腹部)そのものが痛む場合と、全身の血液の循環、配分、質
の乱れによる身体各部の痛みと諸症状があります。子宮が痛む場合は、痛みの程
度にかなりの個人差があり、激しい痛みが生じる場合もあります。

全身の血液の循環、配分、質の乱れによる身体各部の痛みや諸症状は個人の
遺伝的体質と、その時の体調によって大きく左右されます。主な症状として、頭痛、
胃痛、腹痛、皮膚のあれ、かゆみ、湿疹、アトピー性皮膚炎等を発症しやすくなり
ます。

子宮そのものの痛みと身体各部の痛みと、生理時の諸症状は多岐にわたりますが
根源的な要因はひとつです。それは局所の問題ではなくて全身の血液の循環、配分、
質の乱れによって引き起こされているということです。

痛みを起こす機序としては、痛みは血液が不足している箇所に発生するというこ
です。これをしっかり覚えておいてください。体は痛みという信号を発することで 、
心臓 の拍動を活発にして、血液の循環を高めるのです。そして血液が不足して
いる場所に、血液を集めようとしていくのです。これは身体の必要対応になります。

血液が充分に供給できない場所が生じるという事は、全身の血液の循環、配分、
に、乱れがあるということです。血液の質が悪くなれば、血液は熱を帯び、赤血
球同士が連鎖して、血液がベトベトの状態になります。つまり血液の質の乱れは、
毛細血管の流れを停滞させ、身体各部に血液不足を引き起こすのです。また、
血液の循環(血液の流れ)が悪くなれば、身体各部への血液の供給がとどこおり、
全身の血液の配分が乱れていきます。痛みの背景には、こうした血液不足、血
液の循環、配分、質の乱れが必ず存在します。

子宮そのものに激しい痛みを引き起こすときは、体がかなり弱っていると思って
下さい。過労や心労、寝不足で体が弱ってくると、血液の循環が悪くなり、子宮に
充分な血液が集められなくなります。そうすると体は痛みの信号だけではなく、子
宮を痙攣(けいれん)させてでも、血液を子宮に集めようとしています。これをスポ
ンジ効果といいます。スポンジのようにして血液を充分に吸収させないと、血液が
集まらないからです。

こうした理由で激しい痛みと子宮痙攣を同時に引き起こします。下腹部痛や下腹
部のおもさ等も、子宮に血液を集めようとする身体の対応の姿になります。
血液は体を養ってくれる源(みなもと)です。血液を集めることで身体を守っている
のです。故に痛み止め等の薬を安易に服用してはいけません。痛みや子宮の収
縮、痙攣等が起きているときには、体を横たえてゆっくり静養することです。

生理の時に頭痛が起きる場合は、遺伝的な体質に起因しています。生まれつき
心臓(心臓のポンプ力)と肺の機能が弱く、全身に酸素の供給がスムーズに行え
ないため、頭部へ血液が充分に供給できなくなります。これを補うために、痛みを
発症させます。また、生理中は頭痛だけではなく、イライラしたり怒りっぽくなった
りと情緒が不安定になりやすくなります。こうした時には、横になり体を休め、額
や後頭部をアイスバッグや氷枕で冷却すると、かなり緩和できます。

先天的に消化器の弱い人は、生理時に胃や腸に血不足が起こり胃痛、腹痛を
発することで血液を集める対応をとります。また、寝不足になると、胃痛、腹痛は
起きやすくなります。血液は睡眠時に肝臓に集まり解毒され、全身にきれいな血
液を、くまなく供給しています。つまり人の体は眠っているときに、このような修復
作業を行なっているのです。だから生理時に睡眠不足になると、胃腸に血液不足
が起こり、胃痛や腹痛等の痛みを発生させやすくなるのです。生理の時は普段の
時よりも、早く床に就き、十分な睡眠が必要になります。

生理時に極度の肌荒れやかゆみが出る人は、皮膚や皮下組織に血液が不足し
ています。かゆみが出てかくことで、その部位に血液を集めていくのです。(血が出
るほどのかきむしってはいけません)。皮膚病が表れる人は、血液の質が悪く、ベト
ベトの血液が毛細血管の停滞を引き起こし、つまってくるため、皮膚近くの毛細血
管に熱が生じ、この熱を体外へ排出させる対応として、湿疹やかゆみ、かぶれ、

アトピー性皮膚炎等を引き起こしているのです。また皮膚は息をしていて、呼気作
用(はく作用)があります。つまり皮膚に表れる症状は肺機能とも密接に関わってい
て、先天的に肺が弱い人は、皮膚炎や皮膚病を発症しやすくなります。

以上が生理痛及び諸症状のナゼとワケになります。こうした理由が判っていけば
様々な症状が発症しても、適切に対処していくことができるようになります。