日本伝承医学の特性   2021.3.15 有本政治

2021315日に行なわれたスポーツトレーナー未来塾の講義内容に
 なります。
 

【日本伝承医学の特性】

 ①日本伝承医学では、人体の骨を単なる身体の支持組織としての役割で
はなく、生命の仕組みとしての「物質」「エネルギー」「情報」の三態
すべてに関わる重要な役割をもった器官として捉えています。

②骨は生命「物質」として不可欠のカルシウムとリンの貯蔵庫であり、
人体の「エネルギー」としての電気の発生場所であり、貯蔵庫でありま
す。さらに骨格は生命「情報」の伝達のための最大最速の伝達系である
のです。

③生命体はある「物質」でできていて、それを動かす「エネルギー」が
必要です。また、それを統括、制御する「情報」が不可欠になります。
 

【骨の二大特性とは】

①圧電作用→骨に圧や落下圧、ゆり・ふり・たたきというヒビキ(振動)
与えると微弱な電気を発生する。

②骨伝導→人体中最大最速の伝達系(2番目が神経系) 

【日本伝承医学とは】

 日本伝承医学は骨の二大特性を使用して骨に圧やヒビキを与えることで微
弱な電気を
発生させます。この発生させた電気を人体中最大最速の伝達系
となる「骨伝導」を介して全骨格に瞬時に伝達させ、骨の中の骨髄の機能
を発現させることで、造血と細胞新生を高め、病気の根源にある低下した
生命力と免疫力を高めることを目的に技術が構築されています。

 そして、病気の直接的要因となる全身の血液の「循環」「配分」「質」
の乱れをもとに戻
す技法を症状に応じて使用します。
 ()肝臓胆のうの炎症をとる時に用いる操法→右大腿骨叩打法 

【日本伝承医学の基本操法】詳細は『日本伝承医学実技解説書』参照

①三指半操法・・・身体のねじれをとると同時に骨髄機能にスイッチを入れる

②リモコン操法・・足は全身の縮図

         リモコン操法は足の中足骨に圧刺激を与える

         頸椎調整法でもある

         脳に電気刺激を送り脳内の血液の循環を促進し脳幹部
 の司令を全身に伝播する         

③心臓調整法・・・左の足裏の圧痛を確認する

         心臓に関わる肋骨の345番の圧刺激と筋の張力を
合わせる技法

※スポ-ツトレーナー、パーソナルトレーナーの方は、ペアストレッチの
 前にまずこの
基本操法を行ないます(3)。身体のねじれ、ゆがみが
 とれ、血液の循環・配分・質
が整います。このあとに、上肢ペアストレ
 ッチ、下肢ペアストレッチを行ないます。

  基本操法と合わせることで、より効果が発揮できます。

≪足関節の機能解剖≫

①足全体の背屈→単純な一軸の回転ではなく、内旋しながら回外位となる

        関節の「最密位」という

②屈曲位→上記の逆の動きとなる外旋しながら回内位となる 

≪キネシオテープの貼り方≫

テープを伸ばすのではなく、筋肉に張力を出した状態で貼る
→左肩鎖関節付近にピンポイントで痛みがある場合の貼り方を練習
キネシオテープは伸縮性のある綿やアクリルテープで、運動による障害や
身体の痛み
を緩和する目的で使う。  

≪上肢ペアストレッチの復習確認事項≫

・受者に力が入ってしまう場合があるので「力をぬいてください」の声掛
 けをタイミン
グよくいれるようにする

1番→術者は両肘を自分の両膝の内側に接触させ、自分の膝と体全体でリー
   ドしていく
(1の術者の肘のあて方が間違っている)
    鎖骨の楕円運動のとき、鎖骨の縁上がわかる指のあて方をする
2番→術者は内ももで受者の背中をカバーする
   手先で伸ばすのではなく腰で引き伸ばす
4番→肩に引っ掛ける手はソフトにタッチ。ハズ手の形。ハズ手とは親指を
   立て、他の4本の指をくっつけて伸ばした形。その形が矢筈(やはず)
  
に似ていることからこう言われている。(矢筈・・・矢の末端の弦を
   かける部分を矢筈というので、先が二股になった状態を矢筈という)

5番→肩にあてた手は下げながら、反対の手は引っ張るイメージで行なう
囲みの追加手技→術者は自分の胸で圧定する
        肩甲骨上腕面圧法のあと鎖骨の面圧法に入る 

※ペアストレッチは動画を何度もみて、手のかけ方、タッチ、間合い、体
 の使い方等を確認していくようにします。長時間のストレッチは過刺激
 になり疲れてしまうので
30分以内で終了していくようにします。