日本伝承医学ひとり操法 2021.3.31 有本政治
なります。
≪ひとり操法(順序)≫
①三指半操法
〈検査〉仰臥位にて両膝を立て両手は水平に開き、両膝を左右に床まで
倒し、肩の浮く側を検査する。肩の浮き具合、筋肉の引きつり
感、違和感等を覚えておく。
〈操法〉右足を開き手は水平に置き右足背屈ストン。呼気に合わせてかかと
を落下。5回位を目安とする。効いたかどうかは脳内にひびく感じ
がつかめることが望ましい。再検査して肩が浮かなくなり、引き
つり感も消失しているかで確認する。
②リモコン操法
〈操法〉片足膝立て位の長座姿勢をとり、右足の2、3、4中足骨に押圧
とかかとまでの面圧を行なう。左足も同様に行なう。
③心臓調整法(ウナジムナサキ法)
〈操法〉正座位から、左手を後頭部に置き、右手の手根部を第3、4、5
肋骨と肋軟骨の境目付近に置き、呼気に合わせて僧帽筋に張力
を出しながら第3、4、5肋骨にトーク圧をリズミカルに行なう。
④両肩ストン法
〈操法〉正座位や立位にて両手を合わせた合掌形を作り、両肩を上方に
引き上げストンを10回位行なう。
作用・・・Th7(D7)、胸腰部、腰仙部の調整
⑤立位でのかかとストン法
〈操法〉つま先立ちからかかとを床にストンストンとリズミカルに落下させ
る(5~10回位)。頭上からつり下げられたイメージで重力線軸を意識
して落下させる。
作用・・・足関節→膝関節→股関節→仙腸関節→腰仙部→全腰椎→
胸腰移行部に面圧がかかる。脊柱のゆがみ、ねじれの矯正
④の両肩ストン法と合わせて行なうと全身の軸が通り、全脊椎に面圧
がかかる
⑥頭頂叩打法
〈操法〉姿勢は座位か立位で、両手の親指側で親指を手のひら側くっつ
けるような形にして人差し指と親指が水平位になる形をつくり、
頭頂部に交互に落下圧をかける。10回~20回位、リズミカルに
気もちよく両眼の巾位の頭頂部を叩く。脊柱に軸を通し、頭頸
関節部、頸椎7個、頸胸移行部に面圧が及ぶように叩打する。
立位にて行なう場合は足裏まで一直線の“軸”をイメージする。
⑦肝胆叩打法
〈検査〉右の季肋部の肋骨の下に手を差し込み、肝胆の腫れ、固さを診
断しておく。
〈操法〉仰臥位で右足を開き、心臓よりも高くなる台上に右足かかとを
置き、右手の手刀部で右大腿骨の側面を中心に骨髄にひびくよ
うな叩打法を行なう。叩くリズムは1秒に2回位のリズムが望ま
しい。骨へのひびき方の変化を読みとりながら、気もちよい所
をみつけ叩打する。操作後肝胆圧痛を再度検査する。
そして最後に右足の五趾の底屈を一回行ないます。この五趾の
底屈によって、肝臓と大腸をつなぐ門脈を介しての腸肝循環を
活発にし、肝臓機能の回復を促進します。
⑧血液の質を変える操法 (どろどろベタベタな血液、赤血球の変形等)
(リウマチ・痛風・手首の痛みがあるときに用いる)
〈検査〉両手首の固さを確認しておく。特に右手首の動き、手指のこわば
りを確認する。
〈操法〉仰臥位にて、肝胆叩打法同様に右足を開き、台上にのせた姿勢を
とり、右足大腿骨下位骨頭部(膝関節接合部)の右側隆起部を中心
に手刀部にて叩打していく。ヒビキ方の変化と痛みの変化を目安
とする。リズミカルに1分~3分位を目安とする。
⑨骨盤調整法
〈操法〉仰臥位にて大腿骨を「テコ」にしての骨盤(仙腸関節)の前方・
後方回転法となる。
仙腸関節前方回転・・・両膝立位から大腿骨を交互に内方に倒す操作を
リズミカルに行なう。大腿骨のテコを前内方に
倒し、仙腸関節の前方回転をイメージして行なう。
仙腸関節後方回転・・・大腿骨を片足ずつ屈曲位から仙腸関節を後方回
転させるイメージで「テコ」を使用して行なう。
グースーグッと膝頭をかかえこむことを3~5回
繰り返す。
⑩集約拳・右手中指伸展法
〈検査〉首の左右倒しをして可動域、引きつり痛み違和感を確認しておく。
〈操法〉集約拳は左手に心臓の形を作り、水平に開いて、微振動屈曲法を
行ない、首の左右倒しが差なく行なえるようにする。
右中指伸展法・・・左手を使って右手の中指を背屈させる。他の四指は
手関節屈曲位から、手指は開いた形をくずさない。
⑪ゆり操法
〈操法〉寝にょろ運動を行なう(自分で気持ちよいと感じる程度)。体内に
流動電位が生まれ全骨格に伝播していく。仰臥位でヘビの様な
にょろにょろした運動を行なうことで、脳脊髄液の循環を高め、
脳や脊髄の機能を回復させる。